白空と蒼い瞳 〜メガネカチカチ王子さまは実は恋の罠でした〜

「家、送っていきますよ。どこですか?」



そんな優しく聞かれると、調子、狂うんだけど。


「⋯⋯ありがと。あ、ここの角、右」


そっけなく返事をしたけれど⋯⋯体がふっとうしているみたいにふつふつ熱い。


さっきまでクソみたいに見えていた雨が傘からつたう雫が綺麗でとても美しく見える。


ムワッとした風が私を通り抜けていって、髪が一気に舞い上がって、ボサボサになる。それでさえも、優しく私を包み込んでくれるように感じた。


いつもの通学路がいつもと違う景色に見えるのはきっと⋯⋯いや、やめろ私‼ 早まるな‼



ちらっと浜辺を見るけど、なにくわぬ顔で堂々としてる。相合傘なんて意識してるのは、私だけっぽい⋯⋯。



――いつもと違う景色に見えるのは、きっと⋯⋯きっと、この触れた肩から伝わる熱が私に幻覚を見せているからなんだろう。