白空と蒼い瞳 〜メガネカチカチ王子さまは実は恋の罠でした〜

尊敬を込めた目で見ると浜辺が笑顔で言った。


「おれ、体は頑丈ですから。雨風吹っ飛ばしてダッシュで帰りますね‼」


いや、持ってないんかーい‼ そうずてっと拍子抜けた私を見て、浜辺はキョトンとする。


「女性を自分より優先するのは男の義務だってお姉ちゃんが⋯⋯」


「いや、そういう問題じゃなくて‼ 流石に悪いよ。浜辺が風邪引いちゃう‼」


焦る私を見て浜辺はうーん、とうなり首をひねった。


「じゃあ、永瀬さん、野宿ですか⁉ すごいです⋯⋯」


本気のトーン‼ なんてオソロシイ‼


「⋯⋯入れてください。お願いします⋯⋯」


私が宗教で神様に祈るみたいに手を合わせると、浜辺はにこっとうなずいて傘を開いた。


どうぞ、と私のように傘を傾ける。その時一気に身体のねつが上昇した。


⋯⋯あれ、これって⋯⋯相合傘? い、因縁の相手と⋯⋯? い、いや、そもそも男の人とこんなに近いの初めてなんだけど⋯⋯。


私があたふたしていると、浜辺はしびれを切らしたようで、私の腕を引っ張った。


ち、近いっ⋯⋯肩があたる⋯⋯。浜辺の熱を感じて心臓がすごい速度で動き始めた。