白空と蒼い瞳 〜メガネカチカチ王子さまは実は恋の罠でした〜

――ザ⋯⋯―――ザアアアアアアアア


なんと、なんと雨が降っていたのだ‼ 冷たいのにムシムシした雨風が吹き付ける。


昇降口に移動してみて、本当にあの人たちがいなくなってたのは助かったけど‼‼


「最悪っ‼ 傘なんて持ってくるひまなんてなかったわよおおおお‼‼」


そう天に向かって叫ぶけど、雨が言うことを聞いてくれて味方をしてくれる。そんな事があるはずもなく⋯⋯。


昔、雨は、おかあさんが⋯⋯。そんな嫌な過去がよみがえってきて、振り切るように首をブンブン振る。



それにしても、雨が強すぎる⋯⋯。風も強いから、靴箱のところに立っていても、つぶつぶとした水滴がとんでくるくらい。傘なしで帰るのは、無理。うん。


え、もしかして、私学校にとまらなきゃいけない⁉ この古校舎で⁉


絶望に直面し、青ざめていると、浜辺が状況を察知したのか、顔色を変えて言う。


「貸しますよ。雨傘ちゃんと持ってきましたから」


浜辺はそう言って、カバンの中から折りたたみ傘を出した。


「え、なにそれ⋯⋯仮に借りるとしても、浜辺はだいじょうぶなの?」


あ、もしかして、こういうときに備えて折りたたみ傘を2つ持ってきている⁉