正直きまずい。
とてもきまずい。
「ほらジョージ早くー」
山都が背中を押すけど、どうにもこうにも……。
あと軽率に触らないでくれ。
意識しちゃうだろ、お前がなんとも思ってなくても。
……考えてて情けなくなってきた。
俺は意を決してガラスのドアを開ける。
「あ、いらっしゃい。譲二に由真ちゃん」
受付には満面の笑みの兄貴が待ち構えていた。
きまずい……。
「Aルーム取っといたからどうぞ。エアコンつけておいたから。ほんとは駄目なんだけど」
「ありがとうございまーす!」
うんうん唸ってる俺をよそに、兄貴も山都も楽しそうだ。
「ほら行くぞジョージ」
あぁぁ待ってくださいリュー先輩、襟首引っ張らないでください!
絞まってます!
有無を言わさず俺はスタジオの中へと引きずりこまれた。
*
スタジオアスター。
兄貴の職場である。
大小いくつかのスタジオを擁し、割安な値段で借りれることから学生にもアマチュアミュージシャンにも人気が高い。
「なんでそこまでイヤなのさー」
アンプにシールドを差し込みながら、山都は問い掛ける。
俺だって別に嫌っていうわけじゃない。
「なんていうか……。兄弟に見られるのってなんか照れ臭さがあるじゃんか」
「えー? そう? リューわかる?」
「わからん」
そうだった。
ここは兄妹だった……。
夏休みも終わりに差しかかって、曲の完成度も上がってきた。
三年生の課外授業があるから平日は開いてる学校も、土日となると閉まってしまう。
そうなるともう家で個人練習しかできないなぁと言ってたところに、兄貴の救いの手が差し伸べられたのだ。
「でも良かったじゃん? 家族割ってことで安くここ借りれて」
夏休みが明けたらすぐ文化祭だし、どうしようかと唸ってた俺に、兄貴は自分の職場を貸してくれることを申し出てくれたのだ。
ほんとに頭が上がらない。
そんな言い合いをしてる間にも、アンプのセッティングが終わり、チューニングも済ませた。
「さて、と。では始めますか」
とてもきまずい。
「ほらジョージ早くー」
山都が背中を押すけど、どうにもこうにも……。
あと軽率に触らないでくれ。
意識しちゃうだろ、お前がなんとも思ってなくても。
……考えてて情けなくなってきた。
俺は意を決してガラスのドアを開ける。
「あ、いらっしゃい。譲二に由真ちゃん」
受付には満面の笑みの兄貴が待ち構えていた。
きまずい……。
「Aルーム取っといたからどうぞ。エアコンつけておいたから。ほんとは駄目なんだけど」
「ありがとうございまーす!」
うんうん唸ってる俺をよそに、兄貴も山都も楽しそうだ。
「ほら行くぞジョージ」
あぁぁ待ってくださいリュー先輩、襟首引っ張らないでください!
絞まってます!
有無を言わさず俺はスタジオの中へと引きずりこまれた。
*
スタジオアスター。
兄貴の職場である。
大小いくつかのスタジオを擁し、割安な値段で借りれることから学生にもアマチュアミュージシャンにも人気が高い。
「なんでそこまでイヤなのさー」
アンプにシールドを差し込みながら、山都は問い掛ける。
俺だって別に嫌っていうわけじゃない。
「なんていうか……。兄弟に見られるのってなんか照れ臭さがあるじゃんか」
「えー? そう? リューわかる?」
「わからん」
そうだった。
ここは兄妹だった……。
夏休みも終わりに差しかかって、曲の完成度も上がってきた。
三年生の課外授業があるから平日は開いてる学校も、土日となると閉まってしまう。
そうなるともう家で個人練習しかできないなぁと言ってたところに、兄貴の救いの手が差し伸べられたのだ。
「でも良かったじゃん? 家族割ってことで安くここ借りれて」
夏休みが明けたらすぐ文化祭だし、どうしようかと唸ってた俺に、兄貴は自分の職場を貸してくれることを申し出てくれたのだ。
ほんとに頭が上がらない。
そんな言い合いをしてる間にも、アンプのセッティングが終わり、チューニングも済ませた。
「さて、と。では始めますか」


