「~~ならピュアトーンでも……」
「でもいいね、エシオン。ノイズより好きかも」
言いながら山都はポケットからスマホを取り出す。
その顔は泣きそうなものでも、切羽詰まったものでもない。
穏やかなものだった。
その顔を見て、心臓がどくんとなった。
……なんだこれ。
いや、わからんでもない。
この感覚に覚えがないわけでもない。
でも山都だぞ!?
猪突猛進アホ女!
いや、それだけじゃないって今ならわかるけど……。
そこで俺のスマホが鳴って、びくっとした。
画面にはリュー先輩から着信と表示されている。
「なんでリュー先輩……?」
「あ、あたしが今メッセ送ったからかも。ジョージがエシオンじゃないと入らないってごねてるって」
「山都ー!!」
どうすりゃいいんだ。
出ても地獄、出なくても後から地獄だろ絶対。
何コールも鳴ってるはずなのに、一向に鳴り止む気配がない。
俺は仕方なく通話ボタンをタップした。
『遅い』
「すみません……」
開口一番それかよ。
超絶怖い。
顔が見えない分、より冷たく聞こえる。
『ベースやるって本当か』
リュー先輩は静かに言った。
俺はうっと押し黙る。
「……はい」
『そうか。ならこれからよろしく頼むな』
「へ?」
俺は間抜けな声を上げてしまう。
もっと嫌味を言われるのかと思った。
大事な妹のバンドに気に入らない男を入れるんだ。
大反対してもおかしくないかと思ってた。
「これでもリュー、ジョージのこと気に入ってるから」
山都がそっと耳打ちしてくる。
そうなのか?
ほんとにリュー先輩は分かりにくい。
『おい返事は』
ぶっきらぼうな物言いも、それを知った後ではなんだかおかしく聞こえてくる。
「はい、よろしくお願いします」
リュー先輩がふんと鼻を鳴らす。
山都が満面の笑みを浮かべる。
過去が完全に払拭されたわけではない。
まだ不安なこともある。
俺のベースの腕前も、山都の耳のことも。
それでもこいつが笑ってくれるなら、ベースの一つや二つやってやる。
くそ、これが惚れた弱みか……。
またベースを弾ける。
そのことに、俺の胸は高鳴っていた。
「でもいいね、エシオン。ノイズより好きかも」
言いながら山都はポケットからスマホを取り出す。
その顔は泣きそうなものでも、切羽詰まったものでもない。
穏やかなものだった。
その顔を見て、心臓がどくんとなった。
……なんだこれ。
いや、わからんでもない。
この感覚に覚えがないわけでもない。
でも山都だぞ!?
猪突猛進アホ女!
いや、それだけじゃないって今ならわかるけど……。
そこで俺のスマホが鳴って、びくっとした。
画面にはリュー先輩から着信と表示されている。
「なんでリュー先輩……?」
「あ、あたしが今メッセ送ったからかも。ジョージがエシオンじゃないと入らないってごねてるって」
「山都ー!!」
どうすりゃいいんだ。
出ても地獄、出なくても後から地獄だろ絶対。
何コールも鳴ってるはずなのに、一向に鳴り止む気配がない。
俺は仕方なく通話ボタンをタップした。
『遅い』
「すみません……」
開口一番それかよ。
超絶怖い。
顔が見えない分、より冷たく聞こえる。
『ベースやるって本当か』
リュー先輩は静かに言った。
俺はうっと押し黙る。
「……はい」
『そうか。ならこれからよろしく頼むな』
「へ?」
俺は間抜けな声を上げてしまう。
もっと嫌味を言われるのかと思った。
大事な妹のバンドに気に入らない男を入れるんだ。
大反対してもおかしくないかと思ってた。
「これでもリュー、ジョージのこと気に入ってるから」
山都がそっと耳打ちしてくる。
そうなのか?
ほんとにリュー先輩は分かりにくい。
『おい返事は』
ぶっきらぼうな物言いも、それを知った後ではなんだかおかしく聞こえてくる。
「はい、よろしくお願いします」
リュー先輩がふんと鼻を鳴らす。
山都が満面の笑みを浮かべる。
過去が完全に払拭されたわけではない。
まだ不安なこともある。
俺のベースの腕前も、山都の耳のことも。
それでもこいつが笑ってくれるなら、ベースの一つや二つやってやる。
くそ、これが惚れた弱みか……。
またベースを弾ける。
そのことに、俺の胸は高鳴っていた。


