ノイズの向こうできみは歌う

「リューって学年一位なんだよねー」

まじか。
頭いいとは聞いてたけどそこまでとは。
あんなに人相悪いのに……。

いや美人だけど、山都由真が絡んでるせいか、俺に対して当たりが強いっていうか。

「しかも全国十位以内!」
「まじで!?」

相当じゃないか。

思わず大声を上げた俺に、山都由真はにやっと笑った。

「勉強合宿、しましょうか」

嫌な予感しかしない。



「で、こうなるのかよ……」

ゴールデンウィーク初日、ご丁寧にも山都はうちまで迎えに来た。
つーかまだ八時なんだけど。せっかくの休みが……。

「若者よ! 時間は有限なのだ! ダラダラするでない!」
「いや若者って、おまえも同い年だろ」

こういう時の山都由真には、なにを言っても無駄だ。
俺は大人しく準備して、山都由真についていった。

山都由真のアパートに着いて、俺は気がついた。

「あれ? 山都とリュー先輩の家って隣同士なの?」

通りすぎたドアの表札には、『美里』とあった。
山都由真は、鍵を開けながら答える。

「そだよー。言ってなかったっけ?」
「朝いつも一緒だなーとは思ってたけど。いとこで隣同士って、よっぽどだな」

なんていうか、珍しい気がする。
山都由真がちらりとこっちを見た。

「まぁ、いろいろあるんだよー」

山都由真が開けたドアを、俺はくぐる。

「遅い」

山都家のリビング、そこにはすでにリュー先輩が待っていた。
HRが始まる時間よりも早いんですけど……。
と思いつつも、今日からは教わる立場なので言わないでおく。

「おはようございます、リュー先輩。今日からよろしくお願いします」

山都由真に勝手に組まれた勉強合宿だけど、全国トップレベルの人に教えてもらえるのはありがたい。
性格の難には、目をつぶらなければ。

実際、リュー先輩の教え方はわかりやすかった。