前菜がひととおり並び、希は少し微笑む。
「前菜ばかりだから、あとでパスタ作りますね」
料理を口に運ぶ。
ゆっくり味わう。
「美味しい」
即答。
迷いなし。
希の目が少しだけ見開く。
「ほんとに?」
「ほんとに」
嘘のない声。
旬はグラスを傾けながら、軽く頷く。
「インスタに料理専用アカウントあるんです。好きで作ったもの記録用に載せてたらお料理のお仕事もするようになって」
「え、見たい。フォローしていいですか?」
希は少し照れたように笑う。
「もちろん」
旬は椅子を少し前に引き、ゆったりと身を乗り出す。
「希さんってさ、なんでも出来るね」
「そんなことないですよ。出来ないことは、ただ見せてないだけです」
旬は目を細め、少し挑発するように尋ねる。
「たとえば?」
希の唇が小さく笑う。
「彼氏とか?」
いたずらっぽい声。空気がほんの少し揺れる。
「なにそれ。作ろうと思えば出来たのに、作らなかったんでしょ?」
希は肩をすくめる。
「あえて作らないようにしてたわけでもないですよ?」
旬は少し身を乗り出す。
「紹介とか、なかったの?」
希はさらりと答える。
「あ、そういうのは全部断ってました」
旬は息を飲む。
「なんで?」
希は真っ直ぐに旬の目を見て、答える。
「だって、ちゃんと自分で出会うから」
その芯の強さ。自分の意思を持って、他人に任せない。
旬はグラスを置き、ゆっくりと頷く。
(この人に惹かれるのは、こういうところだ)
視線を落とすことなく、希はもう一度微笑む。
香り、温度、言葉の余白。
すべてが、この夜を特別にしていた。
静かなキッチンの中で、旬はそっと胸の奥が熱くなるのを感じていた。
「前菜ばかりだから、あとでパスタ作りますね」
料理を口に運ぶ。
ゆっくり味わう。
「美味しい」
即答。
迷いなし。
希の目が少しだけ見開く。
「ほんとに?」
「ほんとに」
嘘のない声。
旬はグラスを傾けながら、軽く頷く。
「インスタに料理専用アカウントあるんです。好きで作ったもの記録用に載せてたらお料理のお仕事もするようになって」
「え、見たい。フォローしていいですか?」
希は少し照れたように笑う。
「もちろん」
旬は椅子を少し前に引き、ゆったりと身を乗り出す。
「希さんってさ、なんでも出来るね」
「そんなことないですよ。出来ないことは、ただ見せてないだけです」
旬は目を細め、少し挑発するように尋ねる。
「たとえば?」
希の唇が小さく笑う。
「彼氏とか?」
いたずらっぽい声。空気がほんの少し揺れる。
「なにそれ。作ろうと思えば出来たのに、作らなかったんでしょ?」
希は肩をすくめる。
「あえて作らないようにしてたわけでもないですよ?」
旬は少し身を乗り出す。
「紹介とか、なかったの?」
希はさらりと答える。
「あ、そういうのは全部断ってました」
旬は息を飲む。
「なんで?」
希は真っ直ぐに旬の目を見て、答える。
「だって、ちゃんと自分で出会うから」
その芯の強さ。自分の意思を持って、他人に任せない。
旬はグラスを置き、ゆっくりと頷く。
(この人に惹かれるのは、こういうところだ)
視線を落とすことなく、希はもう一度微笑む。
香り、温度、言葉の余白。
すべてが、この夜を特別にしていた。
静かなキッチンの中で、旬はそっと胸の奥が熱くなるのを感じていた。
