ダイニングテーブルにグラスを置きながら、旬がふと思い出したように言う。
「って言うか、圭祐、東大ってすげーな」
からかうような口調。
圭祐はソファに深く座ったまま、肩をすくめる。
「別に大したことじゃない。コツ掴めば誰でも行ける」
さらっと言い放つ。
旬は間髪入れずに返す。
「そのセリフ、一番むかつくやつ」
希が思わず吹き出す。
圭祐は口角を上げた。
「旬はどこだっけ?」
わざとらしく首を傾げる。
旬はグラスを傾けながら、何でもないことのように言う。
「慶応。幼稚舎から」
一瞬。
圭祐の動きが止まる。
「……生粋のボンボンじゃねーか」
旬は平然と頷く。
「自覚はある」
その素直さに、圭祐が目を細める。
「受験戦争味わってねぇの?」
「味わう前にエスカレーター」
あまりにもあっさりした返答。
圭祐は吹き出した。
「ずる」
圭祐は天井を見上げ、小さく息を吐いた。
「まぁな。一応長男だし?頑張るかなって。」
その一言だけ、少しだけ重さが混じる。
希がふと二人を見る。
さっきまでの軽い応酬とは違う、ほんの一瞬の静けさ。
旬がグラスを置く。
「でも、東大は素直にすごい」
からかいの色はない。
まっすぐな声。
圭祐は視線を戻す。
「慶応幼稚舎も十分すごい」
「ブランドはな」
旬は苦笑する。
圭祐も笑う。
違う道。
違う戦い方。
片やエスカレーター。
片や受験戦争。
でも、どちらも簡単じゃなかったことだけは、互いにわかっている。
希は二人を見ながら思う。
学歴とか肩書きとか、そんなものより。
こうやって冗談を言い合いながら、ちゃんと認め合っているこの空気のほうが、ずっとかっこいい。
テーブルの上でグラスが静かに触れ合う。
張り合っているようで、どこか似ている二人だった。
「でもお兄ちゃん、勉強してるとこあんまり見たことないかも」
圭祐、笑う。
「効率派なんで」
「それ一番腹立つやつ」
「って言うか、圭祐、東大ってすげーな」
からかうような口調。
圭祐はソファに深く座ったまま、肩をすくめる。
「別に大したことじゃない。コツ掴めば誰でも行ける」
さらっと言い放つ。
旬は間髪入れずに返す。
「そのセリフ、一番むかつくやつ」
希が思わず吹き出す。
圭祐は口角を上げた。
「旬はどこだっけ?」
わざとらしく首を傾げる。
旬はグラスを傾けながら、何でもないことのように言う。
「慶応。幼稚舎から」
一瞬。
圭祐の動きが止まる。
「……生粋のボンボンじゃねーか」
旬は平然と頷く。
「自覚はある」
その素直さに、圭祐が目を細める。
「受験戦争味わってねぇの?」
「味わう前にエスカレーター」
あまりにもあっさりした返答。
圭祐は吹き出した。
「ずる」
圭祐は天井を見上げ、小さく息を吐いた。
「まぁな。一応長男だし?頑張るかなって。」
その一言だけ、少しだけ重さが混じる。
希がふと二人を見る。
さっきまでの軽い応酬とは違う、ほんの一瞬の静けさ。
旬がグラスを置く。
「でも、東大は素直にすごい」
からかいの色はない。
まっすぐな声。
圭祐は視線を戻す。
「慶応幼稚舎も十分すごい」
「ブランドはな」
旬は苦笑する。
圭祐も笑う。
違う道。
違う戦い方。
片やエスカレーター。
片や受験戦争。
でも、どちらも簡単じゃなかったことだけは、互いにわかっている。
希は二人を見ながら思う。
学歴とか肩書きとか、そんなものより。
こうやって冗談を言い合いながら、ちゃんと認め合っているこの空気のほうが、ずっとかっこいい。
テーブルの上でグラスが静かに触れ合う。
張り合っているようで、どこか似ている二人だった。
「でもお兄ちゃん、勉強してるとこあんまり見たことないかも」
圭祐、笑う。
「効率派なんで」
「それ一番腹立つやつ」
