Nocturne(ノクターン)ー美しさは静かに交差する

翌日。

圭祐との打ち合わせ。

資料を前に、希ははっきりと言う。

「今回は見送る」

圭祐は驚かない。

「理由は?」

希は少しだけ笑う。

「旬がね、焦るなって」

一瞬。

圭祐の目が止まる。

「ふーん」

「追われる側でいろって」

沈黙。

圭祐は資料を閉じる。

「理にかなってる」

ぽつり。

「俺も同じ意見だった」

希が笑う。

「でしょ」

圭祐は小さく息を吐く。

その目に、わずかな興味が灯る。

「旬くん、呼べる?」