どうか、成仏してください!

 ところ変わって、ここは笹原の家。
 イケメンと遊びに行っても、特別楽しいわけではないんだな、としみじみ思う華であった。

 「それで、氏原さんはニワトリのどんなところが好きなの?」

 「えぇっと…賢いところかな、イルカと同じくらいっていうし」

 どうにか、ニワトリの知識を絞り出している。

 「分かる!ちゃんと顔を覚えて、見分けてくれるし抱っこ好きだし、可愛いよね!」

 「あ、あはは…」

 「春野くんは?」

 「そうだな…模様とか良いんじゃないかな、同じ模様の個体はいないからね」

 「確かに!俺の家でも飼ってるんだけど、碁石矮鶏と烏骨鶏っていう品種が…」

 1ミリもわからないが、取り敢えず合わせておく華。

 「笹原くん、飼ってるんだ。鳴き声とか気にならないの?」

 「うちはメスしか飼ってないからね、まあ、うるさくないといったら嘘にはなるけど…見てみる?」

 「あ、うん」

 「僕はいいかな」

 「そう?じゃあ、すぐ戻るから。氏原さん、行こ」

 「うん」

 春野と一時的にだが離れる事ができてホッとしていた。

 「か、かわいい…!」

 ニワトリってこんなにかわいかったっけ、と困惑する華。それもそのはず、このニワトリは笹原が大事に大事に育てた、いうならば箱入りニワトリ。そこら辺のニワトリとは一味も二味も違う。

 「でしょ?この子たちには、俺が独自にブレンドした餌をあげてるんだよね」

 「えっ!すごいね!」

 (独自にブレンドって何入れてるんだろ?)

 とにかくすごいしか出てこなかった。

 「…氏原さん、あの…ごめんね、無理してない?」

 「え?急にどうしたの?」

 気まずげに謝罪をする笹原に、ギョッとする華。

 「今更だけど、氏原さんの意見聞かずに話進めちゃってたから…俺、あんまり同じのが好きな人に会ったことなくて、舞い上がってたんだよね。マシンガントークしちゃうし…ほんとに無理だったら遠慮なく言って」

 「笹原くん…」

 (驚いた…)

 「自覚あったんだ…」