どうか、成仏してください!

 「華ちゃん、司くん、また来てね!」

 「いつでも待ってる」

 「はい!」

 「今日はありがとうございました」

 お祓いが終わり、帰路につく二人。

 「春野くん、大丈夫だった?」

 「何が?」

 「ごたついちゃって、少ししか憑依出来なかったから…それに…」

 感謝してもしきれないのに、何故か謝ってくる華に困惑する春野。

 「ちょっと、不安そうだったから…」

 「えっ、そんなに分かりやすい?」

 「分かりやすくはないけど…何となく」

 「…あー…今になって、一人で頑張れるかなって思ってはいるかな」

 (いや、なに言ってるんだ僕…)

 完全に口を滑らした、と内心、慌てる。

 「ん?春野くんは一人じゃないでしょ?」

 「え?」

 「春野くんを支えてくれる人は、沢山いると思うけど」

 何を言っているんだという顔で見てくるが、こちらも同じ顔をしているだろう。

 「いや、家族にも見向きされない様な奴だよ?そんなのいる訳がないよ…」

 (あぁもう、本当に何が言いたいんだろう僕は。こんな私情、話したくないのに)

 「いるよ、だって私がその一人だからね」

 「はい?」

 「悩みならいつでも、いくらでも聞くし、幽霊関係のことなら色々教えるよ?」

 そう言って、得意げに胸を張る華。

 「…んで…」

 「?」

 「何でそんなに、助けてくれるの?」

 何故、騙す様な真似をして秘密を暴いたのに、親身になって助けてくれるのか。
 華は一瞬キョトンとした後に、少しはにかみながら言った。

 「だって、友達でしょ?」

 やさぐれていた心が、溶かされるような気がした。視界が明るく感じて、周りが鮮やかに色付きだす。
 今まで、こんなに気分が高揚したことがあっただろうか。

 (どうしよう…こんなの、好きになっちゃうじゃないか)

 黙り込んだ春野に、あれ、私は友達じゃなかった…?とショックを受けている華。
 そんな姿も可愛く見えて、どうしようもなく恋心を自覚するのだった。