「なんだろ、これ」
私・美月は、ポストの中に広告を見つけた。
最近は、総合通販や塾の広告をよく見るからか、それは、新鮮で魅力的に見えた。
【卒業直前!! 青春カムバック☆キャンペーン】
【神楽町 六丁目 ◯‐△‐□ 橘 美月さま】
あれ、これって私宛てなのかな……。
その上、【卒業直前】というタイトル。
私は六年生で、もうすぐ卒業だし……本当に、私に向けた広告ってこと?
リビングダイニングのテーブルで、糊付けされた部分を剥がす。
ぺり……と言う音が心地良い。
『あなたは、自分の青春に、後悔はありませんか?』
『当キャンペーンでは、ご応募戴いた方に、青春のやり直しをお届けしています』
『ご興味のある方は、ハガキに以下のことを書いて送って下さい』
視界に飛び込んできた文字に、目を疑った。
青春の、やり直し―――?
信じられないけど、でも……。
私は思わず、応募の必要事項を見つめ直した。
住所、名前、電話番号……ごく普通の懸賞っぽい内容。
でも一つだけ、異色な欄がある。 それは―――『青春を何度繰り返したいか』。
こんなこと、普通書かない。
本気で、私を青春に戻してくれるっていうの……?
次の日私は、ポストにハガキを投函した。
一週間後、私は、朝起きて……背が縮んだ、ような気がした。
制服につけた汚れが消えているのも分かった。
散らかっていた部屋も綺麗。
カレンダーは、―――一年前の日付だ。
「戻っ、た……!?」



