Side魁斗
「うるさい、黙れないのかお前ら」
海空ちゃんと楽しくお話してたら聞こえた声。
この低くて感情がない声はローくんだ。
あぁ、起こしちゃって機嫌が悪いかもしれないなぁ…。
「ローくんごめんねー」
そう言ったとき、ふと思った。
あ、海空ちゃんが…いる…!
ローくんは大の人間嫌いだ。女なら尚更。
早く海空ちゃんを逃さなきゃ。ローくんが何をするか分からない。
「海…」
急いで声をかけた…つもりだった。
あぁ…遅かった…。
ローくんは海空ちゃんの目の前で静かにそれでいて冷たい目を向けていた。
「なんで人間の女がいんだ」
僕たちのほうを向きながら怒ったように聞いてきたローくん。
僕たちが答えないのが分かったのか海空ちゃんに視線を移した。
「出ていけ。まだ学園にいたいならな」
そう冷たく吐き捨てたローくん。
海空ちゃんは悲しそうな顔をした後、僕たちをちらっと見た。
あぁ…、怒られるかな。
そう思ったけど、海空ちゃんは僕たちの考えとは真逆だった。
海空ちゃんは怒った表情ではなく
〝仕方ないよね。気にしてないよ。〟
という優しい表情だった。
でも、手は震えてた。ローくんが怖いのは当たり前だ。
それでも、僕たちにお礼を言って生徒会室を出ていった海空ちゃん。
こんなときでさえ、海空ちゃんの美しさを実感した。
初めて生徒会室に海空ちゃんが入ってきたとき、天使が来たのかと思ったんだ。
あまりにも綺麗だったから。
そして、なんだか懐かしい気がした。
名前を聞いたとき、ぼやけてたけど自分の頭のなかの記憶が思い出された。
海空ちゃんに似た、ピンクの綺麗な髪色の子。
僕たちはその子のことを〝月の姫〟って呼んでた。
申し訳ないことをしたな…。
しばらくの沈黙の後、口を開いたのはライくん。
「なぁ、狼牙。どんなに嫌っていってもあんなふうに追い出すべきじゃねぇよ…」
さすがにライくんも海空ちゃんが可哀想に見えたんだろう。どんなに人間が嫌いでも僕たちだって心はある。
珍しくキーくんも、ヒーくんも思ったのか頷いている。
きっと僕含めてほかの3人も昔の記憶を思い出したのかもしれない。
それを見たローくんは僕たちを睨んだ。
「お前ら、なに絆されてんだ?人間なんてクズだ。女なら尚更な。お前らも分かってるだろ。」
分かってる。分かってるんだよ。
あの子のことがあったから、ローくんは人間のことが嫌いになった。
いや、正確にはあの子を取り巻いていた人間のせいでローくんは人間嫌いになったんだ。
あの子のせいじゃない。
これだけは言えた。
Side魁斗 fin
「うるさい、黙れないのかお前ら」
海空ちゃんと楽しくお話してたら聞こえた声。
この低くて感情がない声はローくんだ。
あぁ、起こしちゃって機嫌が悪いかもしれないなぁ…。
「ローくんごめんねー」
そう言ったとき、ふと思った。
あ、海空ちゃんが…いる…!
ローくんは大の人間嫌いだ。女なら尚更。
早く海空ちゃんを逃さなきゃ。ローくんが何をするか分からない。
「海…」
急いで声をかけた…つもりだった。
あぁ…遅かった…。
ローくんは海空ちゃんの目の前で静かにそれでいて冷たい目を向けていた。
「なんで人間の女がいんだ」
僕たちのほうを向きながら怒ったように聞いてきたローくん。
僕たちが答えないのが分かったのか海空ちゃんに視線を移した。
「出ていけ。まだ学園にいたいならな」
そう冷たく吐き捨てたローくん。
海空ちゃんは悲しそうな顔をした後、僕たちをちらっと見た。
あぁ…、怒られるかな。
そう思ったけど、海空ちゃんは僕たちの考えとは真逆だった。
海空ちゃんは怒った表情ではなく
〝仕方ないよね。気にしてないよ。〟
という優しい表情だった。
でも、手は震えてた。ローくんが怖いのは当たり前だ。
それでも、僕たちにお礼を言って生徒会室を出ていった海空ちゃん。
こんなときでさえ、海空ちゃんの美しさを実感した。
初めて生徒会室に海空ちゃんが入ってきたとき、天使が来たのかと思ったんだ。
あまりにも綺麗だったから。
そして、なんだか懐かしい気がした。
名前を聞いたとき、ぼやけてたけど自分の頭のなかの記憶が思い出された。
海空ちゃんに似た、ピンクの綺麗な髪色の子。
僕たちはその子のことを〝月の姫〟って呼んでた。
申し訳ないことをしたな…。
しばらくの沈黙の後、口を開いたのはライくん。
「なぁ、狼牙。どんなに嫌っていってもあんなふうに追い出すべきじゃねぇよ…」
さすがにライくんも海空ちゃんが可哀想に見えたんだろう。どんなに人間が嫌いでも僕たちだって心はある。
珍しくキーくんも、ヒーくんも思ったのか頷いている。
きっと僕含めてほかの3人も昔の記憶を思い出したのかもしれない。
それを見たローくんは僕たちを睨んだ。
「お前ら、なに絆されてんだ?人間なんてクズだ。女なら尚更な。お前らも分かってるだろ。」
分かってる。分かってるんだよ。
あの子のことがあったから、ローくんは人間のことが嫌いになった。
いや、正確にはあの子を取り巻いていた人間のせいでローくんは人間嫌いになったんだ。
あの子のせいじゃない。
これだけは言えた。
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