「やっぱり〝月の姫〟だ。久しぶり、海空。」
そう言って私を抱きしめたその子。
意味が分からなかった。
きっと、コミュニケーション能力が高い人なら「久しぶり!」と、分からなくても分かるフリをしたかもしれないが、私はできなかった。
「ご、ごめんなさい。私、貴方のこと、知らない…です…。ごめんなさい…。」
こういうのは潔いほうがいいだろう。
しかし、次の瞬間、私は判断を間違えたことを悟った。
女の子は悲しそうな顔をしながら笑った。
「そうだよね。獣人と人間じゃ、記憶力も違うもんね。ごめんね。」
そう言ったその子の笑顔が何かと重なった。
違う、私はこの子のことを知っている。
一つ、記憶が頭の中をよぎる。
「紅葉……ちゃん……?」
確証はなかった。
でも、私の頭の中で一つの記憶が光った。
小さい頃、遊んだ獣人の友達。
その唯一の女の子友達は紅葉ちゃんだけだった。
怖かったけど、恐る恐るその子の顔を見た。
びっくりした。
その子は綺麗な瞳から大粒の涙を零してたから。
「海空……!覚えててくれたの……?嬉しい!会えて本当に嬉しい!」
スリスリと私に頬ずりする紅葉ちゃん。
紅葉ちゃんは羊の獣人だ。
カースト的には下の方だが、実力だけで上へと上がってきた、努力の賜物だ。
紅葉ちゃんのフルネームは
羊雲紅葉(よううん くれは)。
白色の髪の毛が特徴で、パッチリとした目が小さな顔に大きく配置されている。
羊の優しい雰囲気とホワホワした容姿が人気の理由だ。
「もー!海空ったら、私のこと分からないって言うから怖くなっちゃった…!あ、そういえばあいつらには会った?」
あいつら…って誰だろう?
「え、もしかして会ってない?」
「あ、会うって誰に?」
「え、狼牙達だよー!雷飛とか秘嘉瑠とか霧嗚とか会ってないの?」
「え、会ったけどなんで紅葉ちゃんが知ってるの…?」
「えー!あいつら私と一緒にいた男子獣人共だよ!!」
紅葉ちゃんと一緒にいた男の子獣人なんてあの人たちしかいない。
でも、あの人達があの男の子達なの…?
「ねぇ、あいつらに会おうよ!生徒会室にいると思うからさ!それに、あいつら海空に会ったらめちゃくちゃ喜ぶと思うよ!」
紅葉ちゃんはそう言ってくれるが私なんかがまた行ってもいいのか。
きっとまたあの〝ローくん〟と呼ばれている人に追い返されてしまう未来しか見えなかった。
「私が行ってもいいの…?」
すると紅葉ちゃんが「何を言ってるんだ?」という顔をしながら抱きしめてきた。
紅葉ちゃんは抱きしめるのが好きなのかな?
「ほんとにもう!そうやってすぐ人のことを考えて心配しちゃう海空がほんとに大好きなのー!もう、ほんとに可愛い!大丈夫だよ!みんな、海空との再会を死ぬほど楽しみにしてるから。」
そう言い切られて少しだけ背中を押された気がした。
「い、行ってみてもいいのかな…?」
「もちろん!でも、海空が近くにいた事をほかの奴らに教えるのもやだけどなぁ…。」
「…?なんで…?」
「んーん。海空は知らなくていいんだよ!」
そう言って私の手を引く紅葉ちゃんに半ば強引に連れて行かれた私だった。
そう言って私を抱きしめたその子。
意味が分からなかった。
きっと、コミュニケーション能力が高い人なら「久しぶり!」と、分からなくても分かるフリをしたかもしれないが、私はできなかった。
「ご、ごめんなさい。私、貴方のこと、知らない…です…。ごめんなさい…。」
こういうのは潔いほうがいいだろう。
しかし、次の瞬間、私は判断を間違えたことを悟った。
女の子は悲しそうな顔をしながら笑った。
「そうだよね。獣人と人間じゃ、記憶力も違うもんね。ごめんね。」
そう言ったその子の笑顔が何かと重なった。
違う、私はこの子のことを知っている。
一つ、記憶が頭の中をよぎる。
「紅葉……ちゃん……?」
確証はなかった。
でも、私の頭の中で一つの記憶が光った。
小さい頃、遊んだ獣人の友達。
その唯一の女の子友達は紅葉ちゃんだけだった。
怖かったけど、恐る恐るその子の顔を見た。
びっくりした。
その子は綺麗な瞳から大粒の涙を零してたから。
「海空……!覚えててくれたの……?嬉しい!会えて本当に嬉しい!」
スリスリと私に頬ずりする紅葉ちゃん。
紅葉ちゃんは羊の獣人だ。
カースト的には下の方だが、実力だけで上へと上がってきた、努力の賜物だ。
紅葉ちゃんのフルネームは
羊雲紅葉(よううん くれは)。
白色の髪の毛が特徴で、パッチリとした目が小さな顔に大きく配置されている。
羊の優しい雰囲気とホワホワした容姿が人気の理由だ。
「もー!海空ったら、私のこと分からないって言うから怖くなっちゃった…!あ、そういえばあいつらには会った?」
あいつら…って誰だろう?
「え、もしかして会ってない?」
「あ、会うって誰に?」
「え、狼牙達だよー!雷飛とか秘嘉瑠とか霧嗚とか会ってないの?」
「え、会ったけどなんで紅葉ちゃんが知ってるの…?」
「えー!あいつら私と一緒にいた男子獣人共だよ!!」
紅葉ちゃんと一緒にいた男の子獣人なんてあの人たちしかいない。
でも、あの人達があの男の子達なの…?
「ねぇ、あいつらに会おうよ!生徒会室にいると思うからさ!それに、あいつら海空に会ったらめちゃくちゃ喜ぶと思うよ!」
紅葉ちゃんはそう言ってくれるが私なんかがまた行ってもいいのか。
きっとまたあの〝ローくん〟と呼ばれている人に追い返されてしまう未来しか見えなかった。
「私が行ってもいいの…?」
すると紅葉ちゃんが「何を言ってるんだ?」という顔をしながら抱きしめてきた。
紅葉ちゃんは抱きしめるのが好きなのかな?
「ほんとにもう!そうやってすぐ人のことを考えて心配しちゃう海空がほんとに大好きなのー!もう、ほんとに可愛い!大丈夫だよ!みんな、海空との再会を死ぬほど楽しみにしてるから。」
そう言い切られて少しだけ背中を押された気がした。
「い、行ってみてもいいのかな…?」
「もちろん!でも、海空が近くにいた事をほかの奴らに教えるのもやだけどなぁ…。」
「…?なんで…?」
「んーん。海空は知らなくていいんだよ!」
そう言って私の手を引く紅葉ちゃんに半ば強引に連れて行かれた私だった。
