ミラベーラ王国の王室専用の空港に近づくと、滑走路にたくさんの人が待っているのが見えました。
「ウェルカムバック・プリンス・ゴードン」
と書いた大きなポスターがたてられていて、ピンク色のフラッグがひらひらとゆれています。
「ぼくの時は、きいろい布だったでちゅ」
とマリンが言いました。
「ずいぶんスケールがちがうわね」
べらが専用機のウィントーから下をのぞいています。
「ぼく、あれを見た時、ものすごくうれしかっでちゅ。がんばって出てきてよかっでちゅ」
なんて、マリンはかわいいのでしょう。べらがマリンをだきしめました。
「お兄ちゃん、お姉ちゃんがいる」
とゴーちゃんがこうふんして、安全ベルトをはずして飛び回っています。
「ゴーちゃん、あぶないからすわってちょうだい」
「べらちゃん、ぼくはゴーストだから、だいじょうぶなんだよ」
飛行機が止まり、タラップが取り付けられると、
「ゴードン、ゴードン」
名まえをよびながら、みんなが走ってきました。
「みなさまが走っておられる」
とブルーノがあわてています。
「走るのは、珍しいことなのですか」
「はい。王族は人前では、決して走らないことになっておりますから」
ゴーちゃんが一番先にタラップをおりていくと、兄姉さん達がかけてきてだきしめました。末っ子プリンスのゴーちゃんは、年のはなれたお兄さんプリンスやお姉さんプリンセスから、どれほど愛されているのかわかります。
ゴーちゃんがみんなを紹介しました。
「こっちがお兄ちゃん。上から、アルベルト、ベルンハルト、デミアン。お姉ちゃんは、アデーレ、コーネリア、マルグレットだよ」
「たくさんいて、おぼえられないぜ」
とモッヒです。
「すごい。ゴーちゃん、思い出したのね」
べらの目がまんまるです。
「うん、ジェットの中から、ぼくの国が見えたら、思いだしたよ」
「べらさん」
王子のひとりがうれしそうに近づいてきました。
「あら、あなたは、ドミニクさん」
王女も近づいてきました。
「べらさん」
「あなたは、マギーさん」
べらは去年の夏のはじめに、外国から来たどこかの国の貴族の一行を案内したことがありました。それはドミニクさんとその一行でした。
「すみません、ドミニクは仮の名前でした。ぼくの本当の名前はデミアンです。妹はマルグレット。またお会いできてうれしいです」
「あなた方は、プリンスとプリンセスだったのですか」
「はい。プライベートの旅行だったので、仮の名前を使っていました。あのカリフォルニアの旅はとても楽しくて、べらさんには連絡したいと思っていたのですが、弟のことがあったので、できませんでした。その弟があなたのところにいたなんて、信じられません」
「お兄ちゃんは、べらちゃんのことを知っているの?」
ゴーちゃんがデミアンの背中にとび乗りました。
「そうだよ。とても会いたいと思っていた人なんだよ」
「さあ、お母上さまが首を長くして、おまちです。宮殿に行きましょう」
とブルーノが言いました。
金色と白の王宮の長い廊下を歩いていくと、王妃エリザベートの部屋がありました。あついドアが大きくひらかれると、ゴーちゃんがはいっていきました。
ベットの上で、白いかお顔のやせた王妃が起きあがりました。
「私のゴードン」
と王妃ができるかぎりの声を出しました。
「私の愛するゴードン」
「ママ」
ゴーちゃんはその胸に、飛びこみました。
「私のかわいいゴードン、生きていてくれたのね。プリンセスがCikCikを見て、そんな話をしてくれたけれど、信じられませんでした。本当だったのね。私のゴードン、生きていてくれて、ありがとう。こんな日がくるなんて、祈りがつうじました」
「ママ、ぼくは生きていなかったよ」
「ああ、そうね。でも、こうやって会えて、うれしくてならないわ。ゴードンがいなくなってから、もう一度でいいから会いたい。だきしめたいと、そればかり、ねがっていたのよ」
王妃はゴーちゃんを強くつよくだきしめました。
「これが私の夢、もう一度、だきしめること。夢がかないました」
「ママ、ゴーストでごめんなさい。ゴーストのおかおでごめんなさい」
「いいのよ。おかおなんかあってもなくても、どうでもいいことよ。ゴードンが会いにきてくれたのですもの。ママはそれでいいの。ママはしあわせよ。ママは病気になってしまったけれど、きょうまで生きていてよかったわ。だって、ゴードンに会えたんですもの」
「ママ、やせたよ。たくさんたべて、きれいなママにもどってね」
「わかりました。ママはもとのママにもどってみせます」
と王妃が泣きました。
それを見ていたみんなも、泣きました。そして、それぞれに自分のママのことを思って、泣きしました。どのママも、こんなふうに、子供に会いたいと思っていることでしょう。
「私のこの夢がどうか消えませんように」
「ママ、ぼくはゴーストなのだから、10月にはかえるんだよ」
「そうね。でも、10月までは時間があります。それまでは、毎日毎日ゴードンに会えます。ゴードンをだきしめて、おしょくじをして、おさんぽをして、たくさん話して、思い出をつくりましょう」
「そうだね。ママ。まいにち、いっしょだね」
ゴーちゃんは、仲間のみんなをママに紹介しました。
「ゴードンとなかよくしてくれて、ありがとう。とてもうれしくて、何とお礼をいえばよいのでしょうか。私はいとしいゴードンに会えたので、元気になれる気がします」
「ウェルカムバック・プリンス・ゴードン」
と書いた大きなポスターがたてられていて、ピンク色のフラッグがひらひらとゆれています。
「ぼくの時は、きいろい布だったでちゅ」
とマリンが言いました。
「ずいぶんスケールがちがうわね」
べらが専用機のウィントーから下をのぞいています。
「ぼく、あれを見た時、ものすごくうれしかっでちゅ。がんばって出てきてよかっでちゅ」
なんて、マリンはかわいいのでしょう。べらがマリンをだきしめました。
「お兄ちゃん、お姉ちゃんがいる」
とゴーちゃんがこうふんして、安全ベルトをはずして飛び回っています。
「ゴーちゃん、あぶないからすわってちょうだい」
「べらちゃん、ぼくはゴーストだから、だいじょうぶなんだよ」
飛行機が止まり、タラップが取り付けられると、
「ゴードン、ゴードン」
名まえをよびながら、みんなが走ってきました。
「みなさまが走っておられる」
とブルーノがあわてています。
「走るのは、珍しいことなのですか」
「はい。王族は人前では、決して走らないことになっておりますから」
ゴーちゃんが一番先にタラップをおりていくと、兄姉さん達がかけてきてだきしめました。末っ子プリンスのゴーちゃんは、年のはなれたお兄さんプリンスやお姉さんプリンセスから、どれほど愛されているのかわかります。
ゴーちゃんがみんなを紹介しました。
「こっちがお兄ちゃん。上から、アルベルト、ベルンハルト、デミアン。お姉ちゃんは、アデーレ、コーネリア、マルグレットだよ」
「たくさんいて、おぼえられないぜ」
とモッヒです。
「すごい。ゴーちゃん、思い出したのね」
べらの目がまんまるです。
「うん、ジェットの中から、ぼくの国が見えたら、思いだしたよ」
「べらさん」
王子のひとりがうれしそうに近づいてきました。
「あら、あなたは、ドミニクさん」
王女も近づいてきました。
「べらさん」
「あなたは、マギーさん」
べらは去年の夏のはじめに、外国から来たどこかの国の貴族の一行を案内したことがありました。それはドミニクさんとその一行でした。
「すみません、ドミニクは仮の名前でした。ぼくの本当の名前はデミアンです。妹はマルグレット。またお会いできてうれしいです」
「あなた方は、プリンスとプリンセスだったのですか」
「はい。プライベートの旅行だったので、仮の名前を使っていました。あのカリフォルニアの旅はとても楽しくて、べらさんには連絡したいと思っていたのですが、弟のことがあったので、できませんでした。その弟があなたのところにいたなんて、信じられません」
「お兄ちゃんは、べらちゃんのことを知っているの?」
ゴーちゃんがデミアンの背中にとび乗りました。
「そうだよ。とても会いたいと思っていた人なんだよ」
「さあ、お母上さまが首を長くして、おまちです。宮殿に行きましょう」
とブルーノが言いました。
金色と白の王宮の長い廊下を歩いていくと、王妃エリザベートの部屋がありました。あついドアが大きくひらかれると、ゴーちゃんがはいっていきました。
ベットの上で、白いかお顔のやせた王妃が起きあがりました。
「私のゴードン」
と王妃ができるかぎりの声を出しました。
「私の愛するゴードン」
「ママ」
ゴーちゃんはその胸に、飛びこみました。
「私のかわいいゴードン、生きていてくれたのね。プリンセスがCikCikを見て、そんな話をしてくれたけれど、信じられませんでした。本当だったのね。私のゴードン、生きていてくれて、ありがとう。こんな日がくるなんて、祈りがつうじました」
「ママ、ぼくは生きていなかったよ」
「ああ、そうね。でも、こうやって会えて、うれしくてならないわ。ゴードンがいなくなってから、もう一度でいいから会いたい。だきしめたいと、そればかり、ねがっていたのよ」
王妃はゴーちゃんを強くつよくだきしめました。
「これが私の夢、もう一度、だきしめること。夢がかないました」
「ママ、ゴーストでごめんなさい。ゴーストのおかおでごめんなさい」
「いいのよ。おかおなんかあってもなくても、どうでもいいことよ。ゴードンが会いにきてくれたのですもの。ママはそれでいいの。ママはしあわせよ。ママは病気になってしまったけれど、きょうまで生きていてよかったわ。だって、ゴードンに会えたんですもの」
「ママ、やせたよ。たくさんたべて、きれいなママにもどってね」
「わかりました。ママはもとのママにもどってみせます」
と王妃が泣きました。
それを見ていたみんなも、泣きました。そして、それぞれに自分のママのことを思って、泣きしました。どのママも、こんなふうに、子供に会いたいと思っていることでしょう。
「私のこの夢がどうか消えませんように」
「ママ、ぼくはゴーストなのだから、10月にはかえるんだよ」
「そうね。でも、10月までは時間があります。それまでは、毎日毎日ゴードンに会えます。ゴードンをだきしめて、おしょくじをして、おさんぽをして、たくさん話して、思い出をつくりましょう」
「そうだね。ママ。まいにち、いっしょだね」
ゴーちゃんは、仲間のみんなをママに紹介しました。
「ゴードンとなかよくしてくれて、ありがとう。とてもうれしくて、何とお礼をいえばよいのでしょうか。私はいとしいゴードンに会えたので、元気になれる気がします」

