◇ ◇ ◇ ◇
俯き加減で暮らしているうちに、季節は春に変わっていた。
「ハル」
出勤途中、声をかけられ顔を上げる。向こうから手を振りながら歩いてくるのは、
「アレク!」
「久しぶりだね。」
大きなリュックサックを背負ったアレクが私に笑いかけた。あの雨の日に想いを告げられて以来、結局一度も顔を合わせていなかった。
「元気にしてた?これから仕事?」
「ええ。あなたは?」
「僕は……実は、街を離れて遠くで仕事をする事になったんだ」
えっ、と声に出す。
「じゃあ、その荷物……」
「うん。これから船に乗って」
彼は少しはにかんだ笑顔で頬を掻く。
「頑張ってね。髪も切ったのね。とっても似合う」
「ありがと。出発前に会えて良かった」
「帰ってきたら、お店にも顔を出して」
うん、とアレクが頷く。
「あのさ。もう一度言わせてくれる?返事が欲しいんじゃないんだ。ただ言いたいだけ」
「うん?」
「君の事、好きだった。」
彼の言葉が、春風にのって。
真っ直ぐ心に染みてくる。
俯き加減で暮らしているうちに、季節は春に変わっていた。
「ハル」
出勤途中、声をかけられ顔を上げる。向こうから手を振りながら歩いてくるのは、
「アレク!」
「久しぶりだね。」
大きなリュックサックを背負ったアレクが私に笑いかけた。あの雨の日に想いを告げられて以来、結局一度も顔を合わせていなかった。
「元気にしてた?これから仕事?」
「ええ。あなたは?」
「僕は……実は、街を離れて遠くで仕事をする事になったんだ」
えっ、と声に出す。
「じゃあ、その荷物……」
「うん。これから船に乗って」
彼は少しはにかんだ笑顔で頬を掻く。
「頑張ってね。髪も切ったのね。とっても似合う」
「ありがと。出発前に会えて良かった」
「帰ってきたら、お店にも顔を出して」
うん、とアレクが頷く。
「あのさ。もう一度言わせてくれる?返事が欲しいんじゃないんだ。ただ言いたいだけ」
「うん?」
「君の事、好きだった。」
彼の言葉が、春風にのって。
真っ直ぐ心に染みてくる。
