きみが春なら

「ず……るい。そんなの」
掠れた声が耳に届く。

「だって。だって、もう会わないって」
「……うん」
「だから早く忘れなきゃ、って……」
「悪い。そうだよな」

額同士を合わせ、零れた涙を指先で拭ってやる。

「だけど、諦められない。どうしても」

彼女が顔を上げた瞬間にまた唇を塞いだ。
壁に押しつけ、指を絡めて。角度を変えながら何度もキスをする。
やがて、彼女の腕が俺の首に廻されて。それだけで愛しさが爆発しそうに膨らんで、

「……ハル、」

舌を差し入れながら彼女の体を片手でまさぐった。もうどっちのものかわからないほど荒い吐息が混ざり合う。

どうするつもりだ、と自分でも思う。きっとまた傷つける事もわかってる。
それでも君が
俺を求めてくれたから

「ん、……っ」

首筋に唇を押し当てた時、彼女が思わず漏らした声。
やわり、と触れた胸の柔らかさ。


「……ごめん。もう無理だ」 


限界なんてとっくに越えていた。

彼女が確かに生きている事を
早く実感したかった。
 

二人でベッドへ倒れ込み
見つめ合ったまま、ワンピースのサイドを結ぶ紐を解いた。