ワルツのリズムに合わせて足を動かす。
でも……
コツン。
「あっ」
また足がぶつかった。
バランスを崩して、体が前に傾く。
次の瞬間、ぐっと腕を引かれた。
「危ねぇなっ」
気づいた時には、要さんの腕の中だった。
腰を抱き寄せられている。
顔がすぐ近くにある。
綺麗……
って、見とれてる場合じゃない!
「だ、だいじょ……」
焦ってもがいていると、耳元で小さな声が落ちた。
「だから言っただろ、足ばっか見んなって」
ドキッとする。
そのまま数秒、動けなかった。
「……いいですよ、そのまま」
少し離れたところから瀬戸内先生の声がする。
「とてもお似合いのお二人ですね」
えっ!?
顔が一気に熱くなる。
慌てて離れようとするけど、要さんの手はまだ腰にある。
そして小さく息を吐くと、すっと体を離した。



