完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~


「未熟な二人ではありますが、今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします」

軽く頭を下げると、会場から拍手が起こった。

それを合図に、パーティはゆっくりとお開きの雰囲気へと変わっていく。

帰り支度を始める招待客たち。

挨拶を求めてくる者も多く、しばらくは対応に追われた。


ようやく人の流れが落ち着いた頃だった。

「要さん」

声をかけられ振り向くと、志乃が立っていた。

ドレス姿のまま、落ち着いた表情でこちらを見ている。

「少し、お時間よろしいかしら」

「……ええ」

「外で話しましょう」

俺たちは会場を出て、外へ出た。

夜風が少し冷たい。

建物の灯りから少し離れたところで、志乃が口を開いた。

「花音さんの体調は大丈夫なの?顔色が真っ青で心配だったわ」

「しばらく眠って、さっき起きた。最近忙しかったからな……」

すると志乃が俺の顔をまじまじと見てきた。

「あなたがそんな風に庇うなんて珍しい。いつもなら相手を厳しく罵倒しているはずなのに」

「は?俺は悪魔かよ」

「ふふっ」

志乃が柔らかく笑う。

志乃も迅と同じく、物心ついたころからの幼なじみだ。

親同士が昔から仲良く、よくお互いの家に招かれていた。

だからか、志乃には昔からなんでも見透かされている。

「私もあなたのお嫁さんになりたかった」

遠くの、帰っていく来賓客を見つめながら呟く志乃。