数日後
出勤すると医局のテーブルの上に一つの箱が置かれていた
たぶん橘先生からのお土産だろう
紬はそれを受け取らなかった
自席に座り今日の準備をしていた
「おはよう」
後ろから声をかけるものがいた
「......っ、おはようございます」
急な登場に紬は心の準備ができていなかった
「あれ、とっとけ」
橘先生の視線がテーブルの方を向く
「...後で、いただきます
ありがとうございます」
少し避けている様子を気に留めずそのまま自席に戻ると思ったが
「朝比奈、これ」
「......?」
橘先生が出してきたのは小さな紙袋に入った箱だった
「私にですか?」
「あぁ」
中を見てみると猫の形をしたかわいらしいまんじゅうだった
「お前が好きそうだったから...つい」
ドクン——
心臓が鳴る音がする
「いらないならいいけど」
「いえっ、もらいます
ありがとうございます」
ふっ、と鼻を鳴らし自席に戻る橘先生
紬は少しだけその場に立ち尽くす
さっき受け取るときに触れた指先がまだ熱い
嬉しさからその手で小さな紙袋をそっと抱きしめる
紬にだけ渡された特別なお土産
なんで
こんなに嬉しいのか分からない
みんなと同じでよかったはずなのに
どうして
“違う”ことに、こんなにも意味を感じてしまうのか
熱は冷めないままだった
出勤すると医局のテーブルの上に一つの箱が置かれていた
たぶん橘先生からのお土産だろう
紬はそれを受け取らなかった
自席に座り今日の準備をしていた
「おはよう」
後ろから声をかけるものがいた
「......っ、おはようございます」
急な登場に紬は心の準備ができていなかった
「あれ、とっとけ」
橘先生の視線がテーブルの方を向く
「...後で、いただきます
ありがとうございます」
少し避けている様子を気に留めずそのまま自席に戻ると思ったが
「朝比奈、これ」
「......?」
橘先生が出してきたのは小さな紙袋に入った箱だった
「私にですか?」
「あぁ」
中を見てみると猫の形をしたかわいらしいまんじゅうだった
「お前が好きそうだったから...つい」
ドクン——
心臓が鳴る音がする
「いらないならいいけど」
「いえっ、もらいます
ありがとうございます」
ふっ、と鼻を鳴らし自席に戻る橘先生
紬は少しだけその場に立ち尽くす
さっき受け取るときに触れた指先がまだ熱い
嬉しさからその手で小さな紙袋をそっと抱きしめる
紬にだけ渡された特別なお土産
なんで
こんなに嬉しいのか分からない
みんなと同じでよかったはずなのに
どうして
“違う”ことに、こんなにも意味を感じてしまうのか
熱は冷めないままだった
