恋が生まれた日

「あ!お疲れ様です!待ってました!」


程よくお腹が満たされたところで男3人ほど合流者が現れる

先ほど友人が言っていた先輩らだろう

どうぞとうぞとみんなが席へ誘導する

合流する前に何かしらの理由をつけて帰ろうと思っていた紬だが、楽しさのあまり時が過ぎるのを忘れていた


そして先輩らも加えて再度乾杯をする

先輩らは皆ノンアルだ


話を聞けば皆、医者で友人の直属の指導医だったり知り合いらしい

友人はさらにお酒が進み顔を真っ赤にしながら盛り上がっている

一方の紬は気が乗らない

大事な友人との時間を取られたような気がして居場所がないように感じてた

話に入らないというのは流石に失礼だと感じ相槌をうったりと話を聞いてるふりをする

仕事の話から始まり、結婚や彼女の話などプライベートな部分まで根掘り葉掘り聞いてる

さっきまでほろ酔い状態だったがいつの間にか冴えていた


興味のない話ばかり......




幼い頃から医者を目指していた紬にとってプライベートはどうしても犠牲になってしまうものと認識している

そして今は医者という仕事に全力を注ぎたいと思っている

仕事中にどうしても聞けないこともあるから
せっかくならと思っていたが、聞けそうにもない



「......トイレ、行ってくるね」

誰にともなくそう告げて静かに席を立った