影の僕と光の君

男は魔海の過去を学校中にばらまいた
「魔海って裏では遊んでたんだって」「知ってた? 男食い物にしてたらしいよ」
クラスメイトたちの陰口が魔海の耳に届く
彼は昼間の優等生の仮面を被れなくなっていた
誰も信じてくれない
そんな孤独感に魔海は襲われる
昼間は教室の片隅で俯いていた
夜はもう遊び回る気にはなれなかった
一人、夜の街を彷徨う
そんな魔海の前に春風が現れた
「…魔海くん…」
彼の声は少し震えていた
魔海は春風の顔を見ることができない
「もう僕に関わらないで 嫌いなの」
魔海は偽物の冷たい声でいう
嘘だ、隠しても拒絶してもこの《恋》という感情は消えない
「だから、僕の前から消えて、? 頼むからさ…」
春風は自分を振り払おうとした魔海の手を両手で握りしめるとまっすぐ見つめる
「…俺は何があっても魔海くんから離れません…!」