そんなコンなで毎日修行中!

「バカ、よせ! なにやってんだ、李胡!! みんな焼け死ぬぞ!」


 和真の叫ぶ声がかすかに聞こえたけれど、わたしの頭の中は、研ぎ澄まされたように冷静だ。


 大丈夫。今までいっぱいいっぱい練習してきたんだから。

 これで、終わらせる……!


 生気を吸い取られ、小屋の中のキツネがバタバタと倒れていくのを横目に見つつ、ゆっくりと両方の手のひらの間に大きな狐火を生み出すと、先生に向かっておもいっきり投げつけた。


「いっけー!」

「そんなもの、たやすいわ! ……な、なに⁉」

 わたしの狐火を跳ね返そうとした先生の体にまとわりつくと、ぶわっと燃え広がる。


「な、なんだこれは⁉」

 先生が、なんとか火を払いのけようと、もがいている。


 でも、そんなんじゃ、絶対に消えないんだからね。


「へへっ。この前康哉が『攻撃に狐火を使っちゃいけない』って言ってたから、密かに練習してたんだよね。まとわりついて絶対に消えない、っていうだけの狐火。焼け死んだりはしないから、安心して」

「なんだよそれ! こんなの見せられたら、これから李胡のこと、怒らせられないじゃん」

「わたしね、黒瀬くんのロープの狐火がずっと忘れられなかったの。でもわたしには、あんなふうに形を変えることはできなかった。それで自分なりに考えて出した答えが、これだったんだ」


 形を変えるのがムリなら、炎の性質を変える。


 ほら、この前わたしの狐火が暴走して、家が火事になりそうになったことがあったでしょ?

 しょっちゅう前髪は焦がしているのに、あのとき、家はなぜか無傷だったんだよね。

 それで、ひょっとして、そういう狐火を意図的に作り出すこともできるのかなって。