恋は手のひらの上で

朝倉課長と二人で着席し、資料を開く。

今日は前回の指摘を踏まえてターゲット層やCPA、レビュー誘導設計、広告費シミュレーションも整理済みだ。


会議室の空気は、スライドが切り替わった瞬間からぐんと密度が濃くなった。

前回の議論で出た内容を踏まえ、今回は初期CPAと販売戦略の詳細を中心に説明する番だ。
芽依は胸の奥で軽く鼓動を感じつつ、深呼吸して資料を整える。


「本日は、UV-02 Urban Shieldの次フェーズに関する進捗と販売戦略をご説明いたします」

手元のパソコンでスライドを進めながら、私は自分の声が震えないように意識した。

ここにいる全員の視線。
前回もこれを浴びたけれど、やはり身体は慣れてくれない。

とはいえ、今日は自分が主体。
任された案件をしっかり通す。

「まず、屋外環境下での実使用試験の計画です。対象は変わらず都市勤務の二十五歳から三十四歳の女性。EC限定のスターターキットも展開予定です」