何度でも君と忘れられない恋をする

立花が笑うと、不思議と周りも伝染するかのように笑顔になる。

人付き合いがうまいとか、コミュ力が高いとか、そんな言葉だけじゃ足りないくらい。

例えるなら、太陽みたいな存在だ。


「藍原も歌えよー。せっかくカラオケ来てんだから」


立花を中心に大いに盛り上がっているクラスメイトたちを横目に端っこの席で烏龍茶を飲んでいると、伊倉が空いていた隣の席に座ってきた。

さっきまで伊倉も流行りの歌を歌っては場を盛り上げていた。


「…僕がそういうタイプじゃないって知ってるだろ」

「はは、そうだよな。でもせっかく来たっていうのに、いつもみたいに輪の外にいんじゃなくて中にくればいいのにって思うのは本当だよ。おまえはいつもそうやって大人ぶるんだから」

「なんだよそれ…。別にそんなつもりじゃないよ」

「そうかあ?でも全然楽しそうじゃないじゃん」


それは、伊倉や立花のようにこういう場が得意ではないからだ。

大声で歌うクラスメイトたちに愛想笑いを返すだけで精一杯の僕は、きっとこの場にいてもいなくても同じだろう。

立花に誘われたからって理由で来てみたけど、やっぱり来ない方がよかったかもしれない。

モブキャラの僕には、こんなキラキラとした場所は似合わない。


「あれ藍原。どこ行くんだよ?」