《東山いのり様が選択したのは、『何も起こらない』ものでした。ブース奥の扉を開け、待機室でお待ちくださいませ。》
口の中でころころ転がしている飴は、何の変哲もないイチゴの味だ。
「ありがとう」
待機室の中央にある低い大理石のテーブルを囲うように設置された赤い革のソファに腰かけた麻倉万桜が複雑に微笑む。
《第2ゲームは、染井純夏様と島原このみ様です。》
待機室の壁に取り付けられた大型テレビは2分割され、体育館の様子とブースを映し出している。
大理石のテーブルに並んでいたナッツを一粒口に含むと、染井純夏が白い包み紙に包まれた飴を手に取って口に入れた。



