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セイラを部屋へ送り届け、執務室に戻ったダリオスは窓の外を見ながら考え込んでいた。
(聖女なのに、戦場へ直接行っていただなんて。しかも、あの部屋を見て自分には勿体無いと言っていた。彼女はポリウスで一体どんな生活をしていたんだ?)
国のために力を使い、国を支えてくれている聖女であればもっと待遇が良くて当たり前のはずだ。ポリウスの聖女は高飛車で傲慢だという噂を聞いていたが、力を発揮し国を支える立場であれば、そうなってしまうのも致し方ないものなのかと思っていた。だが、実際にやってきたセイラはまるで真逆だ。
セイラに浄化してもらった左腕はまだなんともない。痛みもなく、禍々しい魔力も放っていない。セイラの聖女としての力が本物だという証拠だ。
(これほどまでの力を持っているのに、戦場へ連れて行かれたり隣国へ簡単に差し出されるだなんておかしいだろう。ポリウスにいるもう一人の聖女は聖女としてもっとすごい力を持っているのか?)
聖なる力を使い、天変地異を沈めたり瘴気を消したりするのが聖女の役割だと聞いたことはある。だが、実際に聖女のいないレインダムでは、わからないことばかりだ。
馬車の中でセイラが左腕を浄化してくれた時のことをふと思い出す。
(柔らかくて小さくて、細い手だったな)
自分とセイラの手の違い、そしてセイラに握られた時の手の感触を思い出して、ダリオスは左手を静かに握りしめた。左腕の痛みが消えたと聞いて嬉しそうに微笑んだセイラの顔がふと頭をよぎって、胸がまた大きく高鳴った。
(どうして、出会ったばかりの彼女の笑顔を思い出して胸が高鳴るんだ)
窓の外に大きく浮かぶ月を見ながら、ダリオスは小さくため息を着いた。
セイラを部屋へ送り届け、執務室に戻ったダリオスは窓の外を見ながら考え込んでいた。
(聖女なのに、戦場へ直接行っていただなんて。しかも、あの部屋を見て自分には勿体無いと言っていた。彼女はポリウスで一体どんな生活をしていたんだ?)
国のために力を使い、国を支えてくれている聖女であればもっと待遇が良くて当たり前のはずだ。ポリウスの聖女は高飛車で傲慢だという噂を聞いていたが、力を発揮し国を支える立場であれば、そうなってしまうのも致し方ないものなのかと思っていた。だが、実際にやってきたセイラはまるで真逆だ。
セイラに浄化してもらった左腕はまだなんともない。痛みもなく、禍々しい魔力も放っていない。セイラの聖女としての力が本物だという証拠だ。
(これほどまでの力を持っているのに、戦場へ連れて行かれたり隣国へ簡単に差し出されるだなんておかしいだろう。ポリウスにいるもう一人の聖女は聖女としてもっとすごい力を持っているのか?)
聖なる力を使い、天変地異を沈めたり瘴気を消したりするのが聖女の役割だと聞いたことはある。だが、実際に聖女のいないレインダムでは、わからないことばかりだ。
馬車の中でセイラが左腕を浄化してくれた時のことをふと思い出す。
(柔らかくて小さくて、細い手だったな)
自分とセイラの手の違い、そしてセイラに握られた時の手の感触を思い出して、ダリオスは左手を静かに握りしめた。左腕の痛みが消えたと聞いて嬉しそうに微笑んだセイラの顔がふと頭をよぎって、胸がまた大きく高鳴った。
(どうして、出会ったばかりの彼女の笑顔を思い出して胸が高鳴るんだ)
窓の外に大きく浮かぶ月を見ながら、ダリオスは小さくため息を着いた。



