*
自室にもどってから、セイラはいつものように祈りを捧げていた。
(どうか、この国とこの国に住まう人たちに希望の光が降り注ぎますように)
両手を目の前で組みながらセイラが祈ると、セイラから光が溢れ出す。そしてその光は、一瞬で国中に広まっていった。
(この祈りも、この国では最後の祈りになるのね)
ふう、と静かにため息をつきながらセイラは立ち上がり窓の外を見上げる。美しい星々と月が煌々と光輝いていた。
(隣国レインダムは粗暴で荒々しい国と聞くわ。そんなところに聖女としていかなければならないなんて)
あまりに突然すぎて実感が持てない。だが、明日の朝には迎えが来て出発しなければいけないのだ。ぼうっとしてもいられない。荷造りをするためにセイラは部屋の中を見渡して、よし、と静かにうなずいた。
*
(ここが、本当に、粗暴で荒々しいと言われる隣国レインダム!?)
翌日、迎えの馬車に単身乗り込み、数日の旅を経てたどり着いた隣国レインダムにセイラは驚いていた。噂では至る所で争いが起き治安が悪く、国としては最低だと聞かされていた。だが、争いはどこにも起こっておらず、治安も良さそうで、城下街の雰囲気も人の雰囲気もいい。
「セイラ様、長旅で疲れたでしょう。まずはお部屋にご案内しますね」
茫然としているといつの間にか馬車から降ろされ、城の中に入っていた。通された部屋は洗練されて美しく、ポリウスで暮らしていた部屋よりもむしろ広くて綺麗なのではないかと思うほどだ。
「聖女様には王との謁見まで、こちらでお休みいただきます。聖女様には小さいかもしれませんがご容赦くださいませ」
「いえっ、いいえ!むしろこんな綺麗な部屋、私にはもったいないくらいで……」
「そんなご謙遜なさって。でもこの国に聖女として来ていただいたのですから、これくらいは当然です。国王への謁見までは少し時間がありますので、それまでゆっくりお休みになっていてください」
そう言って、メイドはお茶の支度を済ませてから静かにお辞儀をして部屋を出て行った。
(行ってしまった……)
自室にもどってから、セイラはいつものように祈りを捧げていた。
(どうか、この国とこの国に住まう人たちに希望の光が降り注ぎますように)
両手を目の前で組みながらセイラが祈ると、セイラから光が溢れ出す。そしてその光は、一瞬で国中に広まっていった。
(この祈りも、この国では最後の祈りになるのね)
ふう、と静かにため息をつきながらセイラは立ち上がり窓の外を見上げる。美しい星々と月が煌々と光輝いていた。
(隣国レインダムは粗暴で荒々しい国と聞くわ。そんなところに聖女としていかなければならないなんて)
あまりに突然すぎて実感が持てない。だが、明日の朝には迎えが来て出発しなければいけないのだ。ぼうっとしてもいられない。荷造りをするためにセイラは部屋の中を見渡して、よし、と静かにうなずいた。
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(ここが、本当に、粗暴で荒々しいと言われる隣国レインダム!?)
翌日、迎えの馬車に単身乗り込み、数日の旅を経てたどり着いた隣国レインダムにセイラは驚いていた。噂では至る所で争いが起き治安が悪く、国としては最低だと聞かされていた。だが、争いはどこにも起こっておらず、治安も良さそうで、城下街の雰囲気も人の雰囲気もいい。
「セイラ様、長旅で疲れたでしょう。まずはお部屋にご案内しますね」
茫然としているといつの間にか馬車から降ろされ、城の中に入っていた。通された部屋は洗練されて美しく、ポリウスで暮らしていた部屋よりもむしろ広くて綺麗なのではないかと思うほどだ。
「聖女様には王との謁見まで、こちらでお休みいただきます。聖女様には小さいかもしれませんがご容赦くださいませ」
「いえっ、いいえ!むしろこんな綺麗な部屋、私にはもったいないくらいで……」
「そんなご謙遜なさって。でもこの国に聖女として来ていただいたのですから、これくらいは当然です。国王への謁見までは少し時間がありますので、それまでゆっくりお休みになっていてください」
そう言って、メイドはお茶の支度を済ませてから静かにお辞儀をして部屋を出て行った。
(行ってしまった……)



