きっと私が離れるのは不安だろうに、声や瞳には一切現さずに言った。
「さっきも言っただろう。お前が無理しているのを分かっていたのに、俺達兄妹は甘え過ぎた」
「…」
「今も離れる事が不安じゃないかと言われれば嘘になる。それでも俺達を大事にしてくれていた綴が綴じゃ居られなくなるなんて俺は…嫌だ」
オオミカとして淡々とゆっくり丁寧に。
話し方まで矯正されていた獅帥君が、オオミカとしてではなく、1人の人として話をしている。
他人に当たり前の様に自分の気持ちを伝える事を幼い頃から封じられて来た彼等が、少しずつでも伝えてくれているんだ。
そうかと納得して、同時に思い知る。
折角獅帥君が伝えてくれているのに。
「私こそごめんね」
私も気付いてしまった。
自分の愚かさに。
「綴?」
「ううん…」
気持ちを悟られない様に首を振る。
ーーー私寂しいんだ。
これ以上此処に居たら自分が保てないのも分かっているのに、寂しい、傍に居させてと言いたくなっている。
思えば私が辛い時は必ず獅帥君達は傍に居てくれて、甘やかしてくれていたんだ。
大馬鹿なのは私。
でも今は2人に答えなきゃ。
2人が大きな一歩を踏み出したんだ。
人として私を守る為に。
だから寂しいなんて言っちゃ駄目。
顔を上げて2人を見る。



