…もしかして私の事、嫌いになった?
妃帥ちゃんに知らず知らずの内に嫌な事していた?
振り返ってみたら私の事で怒ってくれた惣倉君が、妃帥ちゃんにとっては掛け替えのない相手であるカズミさんと獅帥君を傷つけているし、原因となった人を嫌いになるのは無理ないかも。(不可抗力とはいえ)
「違うわよ」
私の葛藤がそのまま顔に出ていたらしく、妃帥ちゃんは可憐な唇を億劫そうに開けた。
「…もっと自分が非情になれれば良かった」
「え…?」
そう言って俯く妃帥ちゃんの言葉の意味が分からず、サラサラと揺れる妃帥ちゃんの髪を見つめていた。
「私達以外どれだけ傷付けても構わないって思ったの」
絞り出す様な声に獅帥君の時の様にまた、胸がじくじくと痛んでいく。
「だってあの人以外誰も私達を助けてくれないのに、此方にだけ求めるのよ?こっちが幾ら傷付こうが、何を失くそうが構わないって…不公平だと思わない?」
「…うん」
「人の欲望のまま神である事を求められ、人である事も求められる。私達はどうすれば良かったの?」
「…」
ーーー妃帥ちゃん達はずっと悩んでいたんだろうな。
本当の神様なら悩む事もなければ、人に対して何にも思う事はないのかもしれない。
でも妃帥ちゃん達は人なんだ。



