過つは彼の性、許すは我の心 肆



 どうでも良いって言葉が便利な言葉になっている!

 そもそもお母さん達と話したって事?いつ?私何にも聞いてないんだけれど。


「で、でも大学とか」

「大学なら今からでも向こうの探せるでしょう」

「ビザだってそんなに簡単に取れる訳じゃ…そうそう!ビザ以外の手続きとかも色々あるし」

「手続きなんて家の力を使えば余裕よ」

「ひ、ひえ…」


 天條家の力を使うなんて恐ろしい事を言い始めているよこの人。


「説明はまだ必要?」

「いや、はい、もう大丈夫です…」

 
 妃帥ちゃんはこうなったら誰にも止められない。

 お顔が大変お労しいカズミさんも呆れた目をしているし、私にはなっから拒否権はないのだろう。

 これが惚れた弱みか…。(若干違う気もするが)


「で、お姉様は?」

「…元々息抜きに遊びに来いぐらいだったんだけれど、来てくれるなら大歓迎よ」

「そうじゃあ交渉成立ねーーー獅帥」

「…」

「いいわね?」


 獅帥君…。

 トントン拍子で私の海外行きが決まる中、黙り続けていた獅帥君。


「…」


 深く考え込んでいる様で表情は硬く、自分が呼び掛けられているのにすら気付いていない。


「獅帥君あの、」


 今直ぐじゃないし、何なら海外行きなんてやめてもいい。

 そう言い掛けてーーーグイッと顔を引っ張られた。

 広がる儚くも美しい御尊顔。


「綴、言ったでしょう。貴方は海外に行きなさい」


 何でそこまでして私を海外に行かせたいの?