過つは彼の性、許すは我の心 肆




「海外に行きなさい」


 言われた言葉を理解出来なかった。


「…え?」

「海外よ。国外。英語圏にはなるけれど…お姉様」

「何?」


 海外の意味は分かっているのだけれど、何故急に海外?


「確かリヒト達の乳母を探しているのよね」

「そうなの?」


 話が飲み込めないまま、妃帥ちゃんの言葉に反応して輝咲ちゃんを仰ぎ見る。


「乳母と言うか、子守りよ。手癖の悪い子守りで金品を窃盗していた上に、リヒトを誘拐までしたのよ」

「ええ!?リヒト君大丈夫だったの!?」

「リヒトを誘拐して、リヒトに説得されて、リヒトと一緒に警察に自首したから無傷よ。それはどうでも良いんだけれど」

「どうでも良くなくない?」


 情報量が多過ぎるけれど…いやもうリヒト君無事ならいいのか。(考える事を放棄)


「…変だと思ったのよね。奇跡的に芽生えた姉心だけでこの家に頻繁に帰って来るなんて」

「それも本当よ!…でも素性を確認していてもこの有様だから、出来れば信頼する相手に任せたいとは思っていたのよ」


 2人の視線が私に注がれて、待って皆んな。


「いや無理だよ?急に海外なんて親になんて言われるか」

「大丈夫よ貴方の親には事前に話を通してあるわ」

「ええ!?いつ!?」

「それはどうでも良いのよ」

「どうでも良くないよ!」