木野島君はその場に居合わせた全員の寿命が一気に縮んだと言っていたが、あの10歳以上老け込んだ顔を思い出すと申し訳なく感じ…いやそれより。
「妃帥ちゃん大丈夫なの?」
妃帥ちゃんも具合が悪くて伏せていると聞かされて、しかもお見舞いも出来ないと来たもんだから、とっても心配していた。
「ええ平気よ」
「…無理してない?」
「綴は心配症ね」
「今での事を考えたら心配もするよ」
それに、と心の中で付け加える。
麗しの美貌に翳りはないが、簡素な白いワンピースを着ている事と車椅子に乗っている事で何故だか不安にさせられた。
「妃帥ちゃん、」
私が立ち上がろうすると「綴は其処に居て」と言われて渋々浮かした腰を落とす。
涙も引っ込むガーゼだらけのカズミさんに押されながら私の前に止まって、チラリと輝咲ちゃんを見上げた。
「…お姉様に先を越されるとはね」
「何がよ」
「お姉様も親なのね…」
「だから何よ!」
それ以上は何も言わず、騒ぐ輝咲ちゃんを無視して私へと向き直った。
その鋭い視線に、出会った時のあの強い眼差しを彷彿とさせた。
ドキリと胸が高鳴った。
「綴」
「は、はい」
「貴方ーーー」
な、何を言われるんだろう。
1人でドキドキしていると、妃帥ちゃんは何故か匡獅さんを一度見て私を見た。
言葉が続く。



