過つは彼の性、許すは我の心 肆



 驚きに満ちた獅帥君の表情と、手の掛かる弟妹を見守る輝咲ちゃんの表情。

 頬から滑り落ちる涙が、服に落ちた。

 
「…ごめんね、獅帥君。ごめんねっ…!」


 顔を両手で覆って謝る事しか出来ない。

 堰を切った様に気持ちが、溢れ出す。


「獅帥君達を守る為に強くならなきゃって思って、たの」


 強くならなきゃって。


「怖い自分を、嫌いな自分を、受け入れられれば獅帥君達を守れるって。だから自分の気持ちにも、蓋しようって、」


 だけど。


「そのせいで、大事な人を失った!」


 可愛い私の大事な後輩。

 そして、


「その人の人生まで変えてしまった…!」


『どうせ貴方を大事にしている人達はかなりオブラートに起きた事を話すだろうから、ちゃんと聞きたいかと思って来たんですよ』


 静君の言っていた、恐ろしい出来事。

 鼻水を啜って、手で乱暴に目を拭う。

 ボヤケた視界の中で、


「…起きてから知ったよ。土師保宇が惨殺されたのも。天ヶ衣さんが酷い拷問の末に見つかったのも」


 此処に居ない静君が話す。


『きっと貴方がオオミカと居るには、その2人は大きな障害となると考えて始末したんでしょう。あ、天ヶ衣の方は死んでいないか』


 ハハッと笑う男は、何を考えているのか分からない。

 私は話された内容に目眩がしそうなのに、男は嗤う。