驚きに満ちた獅帥君の表情と、手の掛かる弟妹を見守る輝咲ちゃんの表情。
頬から滑り落ちる涙が、服に落ちた。
「…ごめんね、獅帥君。ごめんねっ…!」
顔を両手で覆って謝る事しか出来ない。
堰を切った様に気持ちが、溢れ出す。
「獅帥君達を守る為に強くならなきゃって思って、たの」
強くならなきゃって。
「怖い自分を、嫌いな自分を、受け入れられれば獅帥君達を守れるって。だから自分の気持ちにも、蓋しようって、」
だけど。
「そのせいで、大事な人を失った!」
可愛い私の大事な後輩。
そして、
「その人の人生まで変えてしまった…!」
『どうせ貴方を大事にしている人達はかなりオブラートに起きた事を話すだろうから、ちゃんと聞きたいかと思って来たんですよ』
静君の言っていた、恐ろしい出来事。
鼻水を啜って、手で乱暴に目を拭う。
ボヤケた視界の中で、
「…起きてから知ったよ。土師保宇が惨殺されたのも。天ヶ衣さんが酷い拷問の末に見つかったのも」
此処に居ない静君が話す。
『きっと貴方がオオミカと居るには、その2人は大きな障害となると考えて始末したんでしょう。あ、天ヶ衣の方は死んでいないか』
ハハッと笑う男は、何を考えているのか分からない。
私は話された内容に目眩がしそうなのに、男は嗤う。



