静まり返る食堂に、謝罪の姿勢から微動だにしない輝咲ちゃん。
「自分さえ良ければ良いって本気で思ってた」
「…」
「貴方達の事情も知っていた。海外生活が長かったから知りようがなかったとか、自分に言い訳すらしなかった」
獅帥君に話しているその言葉の数々に、本当に後悔が滲んでいる様に感じられて、私の方が胸をギュッとされている気分になる。
それでも、
「夫と出会えて、リヒト達が産まれて、母親になって、自分の過ちを、罪深さを、思い知った」
「…」
ーーー獅帥君の憮然とした表情に、姉の言葉が響いている様に見えなかった。
「白々しいわよね」
「…」
取り繕う事も無い獅帥君の態度に、苦笑いしながら顔を上げる輝咲ちゃん。
こう言う時の獅帥君は受け入れないのを私も知っている。
受け入れない獅帥君が意固地ではなく、生い立ち故に理解はしても共感は出来ないのだ。
きっと輝咲ちゃんもそれを分かっている筈。
それでも何でこのタイミングでーーー…。
「でもね、獅帥。これから言う事は、私が綴の友達だからだけじゃないのは分かって欲しいの」
輝咲ちゃんの考えが分からないにしろ、後悔に苛まれながらもその瞳は、何時もの諦めない強い意志を感じた。
予感がした。
「…どうしたんだ」
意味が分からない。



