呆然としていた。
獅帥君と妃帥ちゃん達が来た。
家族が来た。
友達が来た。
この感じ前にもあった。
普通に人と話す事が出来ているのに、静君の話していた内容が頭の隅に合って他の話が何も定着していないこの感覚。
「ーーー綴、綴」
「あ、ごめん獅帥君。なんだっけ」
「…」
柳眉を曇らせる獅帥君に、大丈夫だよと手を重ねる。
身体の怪我も自宅(天條邸)での療養に切り替えられると圭三郎さんから言われたので、今日は久々に私と獅帥君、匡獅さんともう1人で朝食を共にしていた。
そのもう一人は開口1番に、
「綴、顔浮腫んでいるわよ」
と不快そうに言った。
「…本当?昨日夜更かししたからなあ」
「だらしないわねえ」
美的センスが高い彼女からすれば許されざる顔なのだろう。流石今大注目のファッション企業の社長。
獅帥君達に似た神の創造物足るご尊顔を少しキリッとさせた顔貌と、スラリとした流麗な曲線を持つ身体はあいも変わらず…今日も今日とて輝咲ちゃんに1ミリの隙は無い。
「別にいいだろう。綴は療養中だ」
獅帥君が助け舟を出してくれたが、
「まあ獅帥。愛する相手のコンディションが悪い事が気にならないの?」
「…」
敢え無く撃沈させられていた。
やれやれと。
「いいよいいよ獅帥君。元気は元気だから私」



