それに、
「…早かったわね」
視線は今朝の新聞に行く。
「アイツ…」
苦々しい顔付きのカズミに苦笑いして、手元の朝刊にもう1度目を通す。
死神は私との約束を守った。
「ふふ…」
大きな見出しではなく、小さな見出しとして載せられた記事にほくそ笑む。
内容事態は大きく取り立たされても良いものの筈なのに、小さく取り扱われていると言う事は、何らかの力が働いたから。
「いい気味ね」
きっと直ぐ忘れられる。
お前の存在など、塵芥に等しい。
出来るなら現場に居たかった。
指で記事を突く。
これは死神と私の間で成された契約の1つ。
でも、まだまだこれから。
私達の間にはもう1つ契約がある。
死神が約束を果たすなら、此方も約束を果たすのが道理。
コンコンーーー。
「来たわね」
「…」
カズミが姿勢を正し、私も背筋を伸ばす。
新聞をカズミに手渡すと、病室の扉が開かれる。
本番だ。
唾を飲み込み、現れた2人に対して口を開く。
「ーーーお初にお目に掛かります。天條妃帥と申します。この様な姿で申し訳ありません。どうぞお座り下さい、唐堂様」
さあ勝負の時間よ。



