過つは彼の性、許すは我の心 肆



 それに、


「…早かったわね」


 視線は今朝の新聞に行く。


「アイツ…」


 苦々しい顔付きのカズミに苦笑いして、手元の朝刊にもう1度目を通す。

 死神は私との約束を守った。


「ふふ…」


 大きな見出しではなく、小さな見出しとして載せられた記事にほくそ笑む。

 内容事態は大きく取り立たされても良いものの筈なのに、小さく取り扱われていると言う事は、何らかの力が働いたから。


「いい気味ね」


 きっと直ぐ忘れられる。

 お前の存在など、塵芥に等しい。

 出来るなら現場に居たかった。
 
 指で記事を突く。

 これは死神と私の間で成された契約の1つ。
 
 でも、まだまだこれから。

 私達の間にはもう1つ契約がある。

 死神が約束を果たすなら、此方も約束を果たすのが道理。
 
 コンコンーーー。


「来たわね」

「…」


 カズミが姿勢を正し、私も背筋を伸ばす。

 新聞をカズミに手渡すと、病室の扉が開かれる。

 本番だ。

 唾を飲み込み、現れた2人に対して口を開く。


「ーーーお初にお目に掛かります。天條妃帥と申します。この様な姿で申し訳ありません。どうぞお座り下さい、唐堂様」


 さあ勝負の時間よ。