その恋、仕様外につき――鉄壁SEは御曹司の暴走を許さない


 瞬間、佐藤は絶句した。彼は青い顔で周囲を見渡し、景の目立つ金髪を探す。けれど当然のごとく見当たらず――震えながら腕時計を見下ろした。

「それは……いや……困りましたね……。社内放送をかけることはできますが、会議まであと十五分しかありません。九条常務は時間に極めて厳格な方で、一分の遅刻も許されないんです。理由の如何を問わず『信頼に値しない』と切り捨てられる」

「……そう、ですよね……」

 終わった……。もう、何もかもおしまいだ。西園寺景――あの男を、私は末代まで呪ってやる。
 側を離れるなと言ったのに。それを、自信満々に頷いておいてこの体たらく。一体あの男の頭の中には何が詰まっているのか。デジタル時代の騎士団? 笑わせないで。ただの迷子の騎士じゃない。GPSでも埋め込んでおけば良かったのか。
 
 怒りと焦燥で、視界がチカチカしてくる。
 すると、そんな怜の肩を、先ほどから思案顔だった赤木が、ドン、と強く掴んだ。

「真壁。そのPCは、お前のか?」
「……え?」