青春×6

ゴールデンウィークのある日。

クラスLINEに、ぽんっと通知が来た。

『映画見に行きたいんだけど、だれか一緒行こ。』

ゆうしんだった。

なんとなく、いつもゆるい感じの一言。

でもその言葉に、すぐ何人かが反応する。

『行きたい』
『暇』
『なに観る?』

気づけば、五人になっていた。

私と、かおると、ゆうしんと、
あと二人。

その中の一人が、久保田。

クラスの学級委員。

しっかりしてて、ちょっと真面目で、
正直あんまりちゃんと話したことはなかった。

待ち合わせの日。

「時間ぴったりだね。」

そう言って笑った久保田は、
思っていたよりずっと柔らかい雰囲気だった。

映画館に向かう途中、
自然と隣になる。

「恋音ってさ、意外とノリいいよね。」

「え、どういう意味?」

「もっと静かなタイプかと思ってた。」

ちょっと失礼じゃない?って言いながら笑う。

学級委員ってもっと堅いイメージだったけど、
久保田はちゃんと冗談も言うし、
ちゃんとみんなを見てる。

映画のあと、感想を言い合ってるときも、

「ちゃんと最後まで観ろよ、途中寝てたでしょ。」

ってゆうしんにツッコんでて、
みんなが笑った。

その輪の中に、私もちゃんといる。

前より自然に話せてる気がした。

帰り道。

「またなんかあったら声かけて。」

久保田がそう言った。

ただそれだけなのに、
なんだか嬉しかった。

“クラスメイト”だった人が、
少しだけ“友達”になった気がする。

あの日の映画は、
物語よりも、
そのあとの会話のほうが印象に残っている。