青春×6

加戸真と話す機会は、少しずつ増えていった。

班での会話。
何気ない休み時間。
かおるも一緒になって、三人で笑うこともあった。

思っていたよりずっと話しやすくて、
思っていたよりずっとおもしろい。

頭がいいのに、それを鼻にかけないところも、
ちょっとした冗談にちゃんと笑ってくれるところも。

“楽しいな。”

気づけば、そう思うようになっていた。

クラスのグループLINEができたのは、そんな頃。

提出物の確認とか、連絡用とか、
よくある理由で作られたやつ。

クラスのグループLINEができた日の夜。

私はなんとなく、メンバー一覧を眺めていた。

加戸真。

少しだけ指が止まる。

……まあ、いっか。

深い意味はない。
ただ、話すようになったし。
おもしろいし。

なんとなく。

追加ボタンを押した。

《あなたが加戸真を友だちに追加しました。》

それだけ。

本当に、それだけのはずだった。

数分後。

スマホが震える。

——加戸真

え、はや。

開くと、短い一言。

『友達稼ぎすか』

思わず吹き出した。

なにそれ。

『ちがうし笑』

すぐに返す。

『じゃあなんで追加したんすか』

“すか”って何。

ちょっとからかうみたいな文。

でも嫌な感じは全然なくて。

『なんとなく』

そう送ると、

少し間があってから返信がきた。

『なんとなくで追加される側の気持ち考えたことあります?』

『なにそれ笑』

『まあ嬉しいけど』

一瞬、画面を見つめる。

……嬉しいんだ。

その一言が、なんとなく心に残った。

ただLINEをつないだだけ。

ただのやりとり。

でも、

ちょっと楽しくて、
ちょっと特別で。

“おもしろいな、この人。”

そう思った夜だった。