青春×6

星愛かおると話すようになってから、
私の中学校生活は少しずつ明るくなった。

休み時間になるたびに振り返ると、
後ろにはメガネ越しにニヤっと笑うかおるがいる。

「今日ペンケース元気?」

「さっき国語で感動して泣いてた。」

「感情あるの!?」

くだらないことで笑える時間が、
こんなに安心するなんて思わなかった。

そんなある日。

クラスで自然と中心にいる男子がいた。

加戸真。

入学前の模試でトップだったらしい、って噂は聞いていた。

“すごい人”のはずなのに。

普通に笑って、
普通に話して、
誰とでも自然に打ち解けている。

それが、なんだか不思議だった。

なんか……余裕がある。

目立とうとしてないのに、
気づくと目で追ってしまう。

「めい、さっきから見てる。」

後ろから、かおるの小声。

「見てないし。」

「見てる。」

図星だった。

首席って聞いたときよりも、
みんなと同じ目線で笑ってる姿のほうが、ずっと気になった。

なんでだろう。

ただ、ちょっと——

興味が湧いただけ。

その“ちょっと”が、
あとでこんなに大きくなるなんて。

このときの私は、まだ知らなかった。