考えただけで頭が痛くなる。
それをなんとか宥めなければ、誰かの人生を台無しにしてしまうのだから。
…しかし、いつでも相手を見られるということは私も同じだ。
どんなに頭を悩まされても、やっぱりルーカスを愛していることには変わりない。
ふとした瞬間に会いたくなるし、こういった静かな夜に彼への想いを焦がすものだ。
ーーーよし。
心の中で小さくそう言うと、私は腕輪の機能を起動した。
ブンッと小さな起動音と共に、腕輪から映像が映し出される。
映像から機能を選ぶと、今現在腕輪から見える映像が目の前に現れた。
暗いルーカスの部屋に、クシャッとなっている綺麗な布団。
「すぅ…すぅ…」と聞こえる規則正しい寝息はルーカスのものだ。
どうやらルーカスは今、寝ているようだ。
ルーカスは確か仕事で明日は早いと言っていた。
だからもう寝ているのだろう。
「ふふ」
愛おしい人の無防備な姿につい笑みが溢れた。
最初はこうやってルーカスを盗み見ることに罪悪感があった。今でももちろんある。
けれど、私もルーカスに盗み見られているのだから、少しならいいかな…と欲を抱いてしまった。



