玲央「つきの!!」
名前を呼ぶ声に、月乃が振り向いた。
月乃「なに?」
玲央「こっち来い」
男の子が不思議そうに首をかしげた。
男の子「だれ?」
玲央は一瞬だけ言葉を止めてから、短く返す。
玲央「……となり」
それ以上は何も言わない。
月乃はブランコの鎖を握ったまま
迷いながらもすっと足を下ろして立ち上がる。
雫は何も言わず
そのやりとりを一度だけ見てから
視線を外した。
そのまま砂場の方へ歩いていく。
男の子はしばらく立ち尽くしてから
何も言わずにすべり台の方へ走っていった。
三人は砂場の縁に座る。
風が少し強くなり
砂がまたさらさらと動いた。
月乃「れお、どうしたの?」
本当に分かっていない顔で、首をかしげる。
玲央は視線を落としたまま、足で砂を崩した。
玲央「べつに……」
月乃「急にどうしたの?」
玲央「急じゃない」
言い返すように言うが、目は合わせない。
雫が少しだけ間を置いて、静かに口を開く。
雫「れお、さっきちょっと怖かったよ」
玲央「怖くないし」
すぐに返す声は、少しだけ硬かった。
月乃はきょとんとしたまま、ふたりを見る。
月乃「いっしょにあそぼう?って
言われただけだよ?」
悪気はまったくない言い方だった。
玲央は何も返さず、砂を少し強めに蹴る。
ぽす、と乾いた音が落ちる。
雫「れお、さみしかったの?」
玲央「ちがうって」
短く返して、そのまま黙った。
月乃はそのやりとりを見て
少し考えてからふっと笑った。
月乃「じゃあ、4人であそぶ??」
本気でそう思っている顔だった。
玲央「やだ」
即答だった。
月乃「なんで?」
玲央「なんでも」
口を尖らせる。
怒っているわけじゃない。
ただ、譲らないだけ。
その空気を見て、雫が小さく笑う。
雫「わかった。3人ね」
月乃「別に一緒でも良くない??」
玲央「……よくない」
視線を逸らしたまま、もう一度だけ言う。
雫はそのまま月乃の手を取る。
雫「今日は3人で遊ぼ!」
月乃は一瞬だけ考えてから
小さくうなずいた。
月乃「……わかった」
そのまま少しだけ表情を切り替えて
明るく言う。
月乃「じゃあ、山作ろ!
れおがいちばん高いの作って!」
玲央「まかせろ」
三人で砂を集めはじめると
すぐに手は動き出した。
形を作っていくうちに
自然と笑い声が混ざる。
雫が小さく
月乃に聞こえないくらいの声でつぶやく。
雫「わかりやすい」
玲央「うるさい」
月乃「えー、なに〜?」
玲央「なんでもねーよ」
そのまま三人で夢中になって
砂の山を高くしていく。
さっきの男の子のことは
もう誰も口にしなかった。
でも。
笑っているのに、どこか、少し落ち着かない。
その感覚だけが、静かに残った。
名前を呼ぶ声に、月乃が振り向いた。
月乃「なに?」
玲央「こっち来い」
男の子が不思議そうに首をかしげた。
男の子「だれ?」
玲央は一瞬だけ言葉を止めてから、短く返す。
玲央「……となり」
それ以上は何も言わない。
月乃はブランコの鎖を握ったまま
迷いながらもすっと足を下ろして立ち上がる。
雫は何も言わず
そのやりとりを一度だけ見てから
視線を外した。
そのまま砂場の方へ歩いていく。
男の子はしばらく立ち尽くしてから
何も言わずにすべり台の方へ走っていった。
三人は砂場の縁に座る。
風が少し強くなり
砂がまたさらさらと動いた。
月乃「れお、どうしたの?」
本当に分かっていない顔で、首をかしげる。
玲央は視線を落としたまま、足で砂を崩した。
玲央「べつに……」
月乃「急にどうしたの?」
玲央「急じゃない」
言い返すように言うが、目は合わせない。
雫が少しだけ間を置いて、静かに口を開く。
雫「れお、さっきちょっと怖かったよ」
玲央「怖くないし」
すぐに返す声は、少しだけ硬かった。
月乃はきょとんとしたまま、ふたりを見る。
月乃「いっしょにあそぼう?って
言われただけだよ?」
悪気はまったくない言い方だった。
玲央は何も返さず、砂を少し強めに蹴る。
ぽす、と乾いた音が落ちる。
雫「れお、さみしかったの?」
玲央「ちがうって」
短く返して、そのまま黙った。
月乃はそのやりとりを見て
少し考えてからふっと笑った。
月乃「じゃあ、4人であそぶ??」
本気でそう思っている顔だった。
玲央「やだ」
即答だった。
月乃「なんで?」
玲央「なんでも」
口を尖らせる。
怒っているわけじゃない。
ただ、譲らないだけ。
その空気を見て、雫が小さく笑う。
雫「わかった。3人ね」
月乃「別に一緒でも良くない??」
玲央「……よくない」
視線を逸らしたまま、もう一度だけ言う。
雫はそのまま月乃の手を取る。
雫「今日は3人で遊ぼ!」
月乃は一瞬だけ考えてから
小さくうなずいた。
月乃「……わかった」
そのまま少しだけ表情を切り替えて
明るく言う。
月乃「じゃあ、山作ろ!
れおがいちばん高いの作って!」
玲央「まかせろ」
三人で砂を集めはじめると
すぐに手は動き出した。
形を作っていくうちに
自然と笑い声が混ざる。
雫が小さく
月乃に聞こえないくらいの声でつぶやく。
雫「わかりやすい」
玲央「うるさい」
月乃「えー、なに〜?」
玲央「なんでもねーよ」
そのまま三人で夢中になって
砂の山を高くしていく。
さっきの男の子のことは
もう誰も口にしなかった。
でも。
笑っているのに、どこか、少し落ち着かない。
その感覚だけが、静かに残った。
