本当の私を知られたら終わる恋だと思っていたのに、彼の溺愛が止まりません


広いオフィスにパソコンキーを打ち鳴らす音が響く。
タイピングする指を止めずに、私は壁に掛けられた時計の針を仰ぎ見る。
そろそろ終業時間が迫ってきているからか、オフィス内では雑談をする職員達がちらほら現れる。
でも私は雑談の輪になんて入らない・・・というか入れない。

私こと臼井千佐(うすいちさ)は、区民の大切な老後のためのお金や書類を取り扱う役所で、職員の出張費用や経費の精算をする仕事をしている。人間、お金にはシビアだから、一円の間違いだって許されはしない。日々、緊張しながらパソコンと向き合う毎日だ。

今日はこの調子でいけば、定時で事務所を上がれそう。
カタカタカタ・・・カチャ。

ふう。やっと終わった。