僅かな距離

すると。

「そっか。」

月城はそれ以上追及しなかった。

陽依は少しだけ安心して。

同時に少しだけ寂しくなった。

自分でも意味が分からなかった。

聞かれたくないのに。

聞いてほしいと思っている。

そんな自分が嫌だった。

その時だった。

職員室の扉が開く。

別の教師が出てきた。

会話はそこで途切れる。

月城は受け取ったプリントを机の上へ置きながら言った。

「ありがとう。」

それだけだった。
いつも通りの言葉。