僅かな距離

ただ。

少しだけ。

助けてくれそうな人を頼りたくなっただけなのに。

それすら許されない。

そんな気がした。

昼休みの賑やかな教室が急に遠くなる。

周りの笑い声も話し声も聞こえなくなる。

耳鳴りみたいな音だけが頭の中に響いていた。

陽依はスマホの画面を消し、机の中へ押し込む。

そして俯く。
泣いてはいけない。
今ここで泣いたら駄目だ。

そう思うのに。

目の奥が熱かった。

喉の奥も苦しかった。

もう限界かもしれない。

そんな考えが頭をよぎる。

その時だった。