僅かな距離

それなのに。

自分だけが勝手に距離を取って。

勝手に傷ついて。

勝手に期待して。

勝手に諦めている。

そんな自分が馬鹿みたいに思えた。

陽依はぎゅっと弁当箱を握った。

すると。

不意に視線を感じた。
反射的に顔を上げる。

教室の前。

月城がこちらを見ていた。

ほんの一瞬だった。

本当に一瞬だけ。

けれど確かに目が合った。

陽依の心臓が大きく跳ねる。
慌てて視線を逸らす。