僅かな距離

昼休みになった。

教室の中は一気に騒がしくなる。

机をくっつける音。

弁当を広げる音。

笑い声。

その中で陽依は一人、自分の席で小さくなっていた。

食欲なんてなかった。

朝から何も食べたくなかった。

けれど食べないと周りに気づかれるかもしれない。

だから無理やり蓋を開ける。

箸を持つ。
口に運ぶ。
味なんて分からない。

ただ作業みたいに食べるだけだった。

その時だった。

ふと教室の前方が騒がしくなる。

何気なく顔を上げる。

そこには月城がいた。