僅かな距離

朝からずっと落ち着かなかった。

教室にいるのに、どこか違う場所にいるような感覚が続いていた。

周りではクラスメイトたちが楽しそうに話している。

笑い声も聞こえる。

机を囲んで盛り上がる声も聞こえる。

いつもと変わらない朝の教室だった。

それなのに。

陽依だけがその輪の外にいるような気がしていた。

いや、気がしているのではなく、実際にそうなのかもしれない。

そんなことを考えてしまうくらいには、心が疲れていた。

昨日のことが頭から離れない。

空き教室。

女子たちの笑い声。

スマホの画面に映った写真。

そして何度も繰り返された言葉。

『先生も迷惑だと思うよ。』

その一言が、まるで呪いみたいに頭の中へ残り続けていた。