僅かな距離

翌朝。

月城翔平はいつもより少し早く学校へ来ていた。

朝の校舎は静かだった。

生徒たちの声もまだ少なく、廊下には掃除を終えたばかりの床の匂いが微かに残っている。

職員室の鍵を開け、自分の机へ向かう。

鞄を置き、パソコンの電源を入れる。

普段と何も変わらない朝。

そのはずだった。

けれど。

月城の意識は無意識のうちに一人の生徒へ向いていた。

昨日見た背中。

窓の外を歩いていく姿。

そして。
どこか諦めたような表情。